研究課題/領域番号 |
20K02915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
中野 俊幸 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (20284424)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 数学的活動 / 深い学び / 統合化 / 教材開発のストラテジー / 数学を洗練する活動 / 授業デザイン / 条件・性質の否定 / 数学教育 / 深い学びの実現 / 教材開発ストラテジー / 数学化 / 数学的洗練 |
研究開始時の研究の概要 |
数学授業において「深い学び」は,日常的・現実的な事象の問題解決に数学が役立つことを生徒に体験させるだけではなく,数学そのものを洗練する活動,つまり,一般化・抽象化・統合化・形式化・体系化などの活動を生徒が主体的に行う学習であると考えた。この数学を洗練する活動は,多様な数学記号の導入と活用を伴ってなされるが,それは数学的思考活動の特徴的で優れたところである。本研究は,数学を洗練する活動を授業で実現するには,それに適した教材を開発することが最も重要であると考え,その教材開発の指針となるストラテジー(方略)を考案し,その実践的有効性を検証するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は,数学教育で深い学びを実現するために,数学授業における数学的活動をデザインすることが目的である。数学的活動とは「数学化」「数学をつくること」であり,深い学びとは,一般化・抽象化・統合化・記号化・形式化などの「数学を洗練する活動」を生徒の主体的学習に実現することであると捉えている。そして,数学を洗練する活動を実現するための学習場を,一般的な指導法の開発ではなく,数学に固有な教材開発によって形成することを狙いとし,そのための 教材開発のストラテジ-を同定し,その有用性を実践を通して検証することも研究の主要なねらいである。 2020年度は教材開発のストラテジ-として,①ある変数を連続的に変化させ並べる ②ある条件・性質を否定して変更する ③問いと答えを逆転させる(逆・裏 の命題を考える) ④セッティングを変える ⑤図を動かす ⑥範囲の制限をはずす ⑦次元を変える の7つを有効なストラテジーとして同定し、2021年度は、数学学習における「統合化」を「一般化による統合」「拡張化による統合」「補完化による統合」「組織化による統合」の4つに分類し,教材開発のストラテジ-①,②,③,④,⑤,⑥を適用して,この4つの統合化が段階的に進んでいく過程を設定した授業をデザインした。2022年度は数学教材「アリスモゴン」を活用し,ストラテジ-①、②,③,④,⑤を適用し小学校低学年から中学校数学で教授可能な教材を開発し、実践を行ってその教育的効果を検証し課題を探った。 教材開発のストラテジ-を活用して数学的探究活動に適切な教材を開発し授業デザインをしたことで,数学を洗練する深い学びをめざした授業展開と学習指導の指針を得ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は,学校教育の数学授業での学習指導に直接役に立つ理論を構成しようとするものなので,教育現場における具体的授業実践が不可欠であるが,新型コロ ナ感染症の影響で,教育現場への接近が厳しく制限されたため,研究協力者である現場教員との研究協議やその研究的・実験的授業も十分に行えなかった。この ような理由により,研究の進捗は計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,新型コロナ感染症の影響で、研究協力者である現場教員との研究協議をオンラインによって行うことにより進めてきたが,今後は、新型コロナ感染症の5類への移行をから、教育現場でも事件的実践や現場教員との直接の対話を通して、研究の実践への理論的応用や検証,および実践からの理論の批判的再考を進め、研究を成果をまとめていきたいと考えている。
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