研究課題/領域番号 |
20K02971
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 筑紫女学園大学 |
研究代表者 |
山田 直子 筑紫女学園大学, 文学部, 准教授 (50421219)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 高等教育の国際化 / 異文化間教育 / 異文化間能力 / 外国語教育 / 国際協働学習 / 教育政策 / 高等教育 / 国際化 / カリキュラム / タンデム学習 / エンゲージメント / 教育の国際化 / 国際的な学びの評価 / 多文化教育 / 異文化教育 / 欧州 / インクルーシブ / 多文化協働 / Intercultural Competence / フィンランド高等教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は学習者が異文化に対する感受性を備え、多様な文化的文脈の中で異質な他者と対話し協働するために必要な知識や態度を養う有効な教育アプローチや方法論を検討し、我が国の地方中規模大学に活用可能な教育の国際化モデルの構築を目的としている。そのために欧州で出現した国際化イニシアチブをめぐる言説とそれが受容されるプロセスを精査する。その上で、フィンランドの地方大学を事例とし、戦略と体制、取り組みの導入、実践内容、その成果について、実証研究により明らかにする。さらに我が国の社会的・文化的文脈を考慮したうえで、日本の大学に適用可能なモデルを構築し、収集した実践事例のデータベースを開発・公開する。
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研究成果の概要 |
大学生が異質な他者と対話し協働する力を養うための有効なモデルや方法論を検討するため、フィンランドを事例に質的調査を行なった。2000年以降、欧州で出現した教育の国際化イニシアチブInternationalization at Home(IaH)の導入状況、実践内容、成果について聞き取った。その結果、大学の国際競争の激化と国内の多文化化の進展が、IaHを強力に後押ししている状況が理解できた。IaHは重要な戦略の一つであるが、国際部署に一元化するのではなく、専門分野に関わらず各学部が教育課程に組み込まれていた。国際的学びや異文化対応力を養う機会を全学生に保証しようとする大学の試みが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国では、高等教育の国際化をめぐる議論は、厳しい国際競争に対応するために国が策定した高等教育政策の影響を強く受けてきた。その結果、留学生の派遣と受け入れ、英語教育、英語による授業の実施、英語で学位が取得できるコースの設置などに議論が集中した。そのため国際教育や異文化間教育の観点から大学全体の教育活動を包摂するようなモデルを提示するには至っていない。この点においてフィンランドの事例は、全ての学生を対象とした重層的(大学・学部/正課・準正課・正課外/キャンパス・キャンパス外)な学びや実践の機会を提供しており、パラダイムの転換を促す有益な知見となると考える。
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