研究課題/領域番号 |
20K03065
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡村 吉永 山口大学, 教育学部, 教授 (10204025)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | デジタルファブリケーション / オーダーメイド型教材 / 特別支援学校教材 / 小学校教材 / STEAM / SDGs / 教育利用 / 特別支援学校 / オーダーメイド型教材開発 / フェイスシールド / 3Dプリンター / 学習支援ツールの開発 / 小学校教育 |
研究開始時の研究の概要 |
情報化やグローバル化といった社会の急速な変化を受け、子供たちが身につけるべき力とはどのようなものかが、近年の教育課題となっている。 本研究では、子供たちのコンピテンシーを育成するため、最新のデジタルファブリケーション技術を生かしたオーダーメイドの学習支援ツールを開発すること、およびその為のシステム構築を目指す。研究の推進にあたっては、申請者が蓄積してきた測定的な手法や技術科的なアプローチを生かして、具体物としての思考ツールや補助具を提供するよう心掛ける。
|
研究実績の概要 |
学校教育におけるデジタルファブリケーションの活用に関して、特別支援学校の教材開発に関する検討、特別支援学校と一般小学校とを循環する教材の運用、STEAM学習を意識した小学校におけるデジタル加工機支援による教材の開発と試行を行った。 特別支援学校の教材開発は、前年から継続するもので、デジタル加工機を直接利用する以外の2次、3次利用によって学習利用の可能性が広がることを確認できた。 特別支援学校と一般小学校とを循環する教材の運用については、特別支援学校が保有する加工機や指導する教員、在籍する生徒の実情に合わせた教材の改良を行ったほか、SDGsを意識した間伐材利用など地域との連携を図ることができた。特別支援学校の実情に合わせた教材の改良は、これを利用する小学校にとっても、加工や工夫のしやすさの面で有利であり、一般化に向けた学校間連携のモデルとなりうるものであった。 小学校におけるデジタル加工機支援による教材の開発と試行は、小学校においても一人一台端末として児童個人が専用PCを利用可能となったことを受け、デジタル加工機をこれに関連付けるための学習方法及び教材開発を行ったものである。従来、図画工作など小学校での作品作りは、立案・構想から完成までの全ての作業を児童自身が行うが、一般社会でみた場合、ほとんどが分業で行われている。本研究では、アクリル製のネームプレート作成を題材とし、児童が授業内でPCを使ってデザインを行い、そのデータを工場(大学研究室)で製品化し、完成品を児童に返すことを試みた。作品デザインに関しては、ネット上のイラスト使用など著作物に関する配慮とこれに関する事前の授業が必要なことが明らかとなったが、自分で加工しないことについて、児童側の疑問や否定的な意見はみられず、有用な方法の一つとして継続研究していく意義を認めることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究課題については、概ね必要なアプローチはできているが、新型コロナウィルス感染症が拡大し、学校等での実践研究のスケジュールに相当の狂いを生じてしまった。特に、小学校におけるデジタル加工機支援による教材の開発と試行については、学校での実施が12月中旬以降にずれ込んでしまい、十分な実施時間(授業回数)を確保することができなかった。 データ収集の面で不十分さがあり、再試行が必要と考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究最終年度であり、これまでの成果の整理を進める必要がある。また進捗状況で触れたように、新型コロナウィルス感染症の影響で、学校での授業実践が思うようにできていないものがあるため、関係機関や学校と調整し、年内に十分なデータが得られるようにしたい。 研究を通じてデジタルファブリケーションの教育利用は、持続可能性や多様性といった現代的な教育課題に対する解決手段の一つとして有効なことが実感されたことから、さらに新たな活用を見出すことも進めたい。
|