研究課題/領域番号 |
20K03129
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
岡田 佳子 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (90367011)
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研究分担者 |
松田 稔樹 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (60173845)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ソーシャルスキル / 問題解決 / 対人葛藤 / 大学生 / 転移・維持 / メタ認知 / 対人問題解決 / シミュレーション教材 |
研究開始時の研究の概要 |
ソーシャルスキル教育の課題として,効果が転移,維持しにくいことが指摘されている.教育の効果を転移,維持させるには学習者の認知過程へのアプローチが必要である.本研究では,申請者が試作した教材を改良し,教材を使用することでメタ認知技能が活用されるか,学習効果が転移・維持するかを明らかにする.教材はプログラミング言語Common Lispを用いて開発する.学習者の選択や反応に応じて異なるフィードバックを与える機能や展開が分岐する機能を追加しメタ認知技能の活用を促す指導を行う.e-learningによる対人問題解決スキルの指導は,多様なニーズを持つ幅広い対象への応用が期待される.
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研究実績の概要 |
ソーシャルスキル教育の課題として,効果が転移,維持しにくいことが指摘されている.教育の効果を転移,維持させるには学習者の認知過程へのアプローチが必要である.本研究では,e-learning型のシミュレーション教材を開発し,教材によってメタ認知技能が活用されるか,学習効果が転移・維持するかを明らかにする.教材はプログラミング言語Common Lispを用いて開発する.学習者の選択や反応に応じて異なるフィードバックを与える機能や展開が分岐する機能を追加しメタ認知技能の活用を促す指導を行う.e-learningによる対人問題解決スキルの指導は,多様なニーズを持つ幅広い対象への応用が期待される. これまで,大学生の対人問題解決スキル教育の縦糸・横糸モデルを定義したうえで,大学の講義「人間関係論」の中でモデルの内容をメタ認知知識として指導し,課外学習の時間に2つのe-learning型のシミュレーション教材でメタ認知技能の活用を指導した上で,教材のログデータを解析し,学習効果を評価した.2021年度は,同じ科目において2回目の実践を行った(1-4年生124名).昨年度の実践結果に基づき,講義内容と教材1・2を修正したうえで,新たにメタ認知知識の定着を目的とした復習のためのe-learning教材を追加した.また,転移効果検証のためのe-learning型のシミュレーション教材も作成・実践した.2022年度は,2021年度の転移効果検証のためのe-learning型シミュレーション教材のログデータと学生の最終課題の分析を行った.また,指導効果の再現可能性を検討するために3回目の実践を行った(1-4年生 133名).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度以降は,1)改良版シミュレーション教材の予備実施,2)改良版シミュレーション教材の本実施(学習者の認知活動の評価),3)改良版シミュレーション教材(教材の効果を確認)の3つを実施することを予定していた.1)に該当する教材1・2は2020年度のうちに作成が完了し,2021年度に2)と3)に関連する改良版シミュレーシ教材1・2の作成が完了している.さらに,2020年度の実践結果を踏まえて,追加で復習教材も作成することができた.これらは124名の学生を対象に本実施まで終えており,2022年度に結果の集計,分析を行った.また,転移を評価するために新たに教材3も作成し,2021年度に35名の学生を対象に実践が完了し,2022年度に結果の集計,分析を行った.研究が順調に進展しているため,2022年度は指導効果の再現可能性を検討するために3回目の実践を行うことができた(1-4年生 133名).
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今後の研究の推進方策 |
1.本研究の意義を明確にすることを目的として先行研究のレビューを行った.その成果を論文としてまとめているものを2023年度中に査付学術論文に総説論文として投稿する. 2.2021年度後期に実践した教材3(転移効果の測定と復習のための教材)のログ分析と講義の課題として実施した総合演習(学生が実際に経験した対人場面について講義で学んだモデルに沿って問題解決を考え資料を用意して発表する)の分析を行い,モデルに基づく指導法によって学習成果が新場面や日常の対人問題解決に転移するかを評価した.2023年度はこの成果を論文にして,審査付学術論文に投稿する. 3.指導効果の再現可能性を検討するための3回目の実践結果を分析する.成果を国際会議HICE(2024.1開催)に論文投稿する.
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