研究課題/領域番号 |
20K03131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 成蹊大学 (2021-2022) 明治大学 (2020) |
研究代表者 |
鈴村 美代子 成蹊大学, 経営学部, 助教 (90804493)
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研究分担者 |
高木 俊雄 昭和女子大学, グローバルビジネス学部, 准教授 (80409482)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | PBL / 地理的離間 / 探究学習 / 産官学連携 / 拡張的学習 / 経営教育 / 学習効果 / 大学教育 / 経営学 / ルーブリック / 学習効果評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は四年制大学の学部生を対象とした経営学教育における「PBLの設計」と、「学部教育へのその導入及び効果検証」を理論および実践の観点から明らかにすることが目的である。そのため、本研究プロジェクトでは期間を通じて、①PBLを用いた教育に関する文献調査、②学部教育におけるPBLの設計、③学部教育への導入及び効果検証、そして④研究成果発表を行っていく。
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研究実績の概要 |
本研究は、PBLを通じて学習者同士、そして学習者と教育者が連鎖し連関することで、与えられた課題が既存の枠組みを超えた新たな価値の創造へと転換していくプロセスを大学教育へ導入する有効性について検討することを目的としている。 PBLは系統学習とは異なる、脱学校化された学びとも捉えられる。こうした側面を踏まえたうえで、本年度は産官学連携やPBLで地理的離間が存在する状況において、いかに探究型の学びを有効に構築できるかについて考察した。主体的な探究活動への取り組みと他の教科との関係に正の相関がみられたことから(国立教育政策研究所, 2015)、中等教育においてもPBLを用いた探究学習が導入され始めている。しかし、都市部の中等教育では国際的に活躍する有名企業の管理者や大学教員を招き、探究学習が行われている一方で、地方では探究学習の素材を十分に得ることができていない状況である。このような地方における課題に対し、都市部の大学(生)と地方の中学高校(生)という地理的離間を活用したPBLについて検討し、その設計段階における調整コストと環境整備を課題として提示した。 さらに、本研究は知識は社会的な相互作用によって構築され、実践的コミュニティに依拠していると捉える社会構成主義的学習観に基づいているが、知識が内化される様態を学習とする従来の組織学習観とは異なり、組織における社会的相互作用のなかで新たな価値が創造される学習の拡張性を射程とする枠組みについて理論的に検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、地理的離間という概念に基づき、大学経営学教育におけるPBLの有効性について検討した。また、組織学習の枠組みについて概説し、社会構成主義的学習観の有用性を提示した。 しかしながら、当初予定していた論文・プロシーディングスによる研究成果を挙げることが出来なかったため、研究計画を1年間延長するに至った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究ではこれまで主に大学の経営学教育におけるPBLの学習効果に着目してきたが、PBLにおける学びは学生に限定されない。それゆえ、今後の研究展開を踏まえたうえで、2023年度はPBLという実践コミュニティにおける他の主体に着目した学習についても検討していく。また、相互構成的な組織化における拡張的学習を促進させる基盤となる、多声性がどのように維持されるのかについても考察する。 なお、研究成果についてはBritish Academy of Management conferenceでの発表を予定している。また、国内外のジャーナルへの投稿も行うことで、幅広く研究成果を発表していく予定である。
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