研究課題/領域番号 |
20K03199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
沼山 恵子 東北大学, 医工学研究科, 准教授 (30400287)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | トランスグレード教育 / 協働教育 / 遺伝子多型解析実習 / 発生生物学実習 / 蛍光顕微鏡組立実習 / オンライン実習講座 / 中高-大学院連携 / 科学リテラシー / 異年齢集団 / 実習開発 / 転写・翻訳実習 / 中高-大学院連携 / 高度教養教育 / 実習講座 / 顕微鏡組立実習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、中学・高校生から大学の学部学生・大学院生、社会人、高齢者までを統合的な教育対象とした、学年や世代の壁を越えた(トランスグレードな)他には例を見ない「トランスグレード実習講座」を学際的で多様な内容に展開する。実習から知識や経験を得られるだけでなく、参加者相互の専門分野の知識や発想、違ったものの見方・考え方など、同年齢の集団で行われる従来の教育では得られないものが、真の「生きる力」、人生の糧となると期待される。この取り組みの普及により、我が国全体の科学技術に対するリテラシー向上に繋がることも検証する。
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研究実績の概要 |
「トランスグレード実習講座」は、中高生から社会人・高齢者まで幅広い世代が小グループで同じ課題に取り組むことにより、共に教え合い、学び合う、“学年を超えた(トランスグレードな)”協働教育の試みである。 2022年度は、11月22-23日に学内の卓越大学院プログラムとの共催で大学院生を対象に2日間の分子生物学実験体験研修「ALDH2 遺伝子多型解析」を開講した。 発生生物学実習講座「ウズラ胚の実体顕微鏡観察」は、高校生以上に限定して 15名 ×2回の受講者を募り、学内の学生・大学院生に加えて、仙台市内と山形・岩手・千葉・神奈川各県から高校生・高校理科教員に本学にお越しいただき、感染防止対策を講じた上で対面で実習を行った。動物実験の倫理・鳥類胚発生の基礎知識について講師から解説後、1人1台の実体顕微鏡を用いて受精卵から組織・臓器が作られる過程を詳しく観察し、生物の身体の成り立ちを学んだ。実習後は小グループに分かれて相互に意見交換・ディスカッションを行い、かけがえのない生命の尊さを実感していただいた。 3月17-18日と20-21日には各1日半の「蛍光顕微鏡組立実習」をオンライン開催した。前年度に偏光観察を追加し、4種類の顕微鏡の組立に進化させた実習で、参加校(5校 ×2回)に実習機材一式を貸し出して学校毎に実習に取り組んでいただき、本学の講師・TA が遠隔指導・助言するオンライン形式で実施した。今年度は学内受講者限定で星陵キャンパスにて対面で参加していただくこともできた。 この顕微鏡組立実習の観察試料でもある遊泳微細藻類(Volvox・Euglena)をサイエンス・リーダーズ・キャンプや実習講座の受講教員に実験教材として配付する取り組みも継続し、全国各地(1都8県)で高校の生物・生物基礎・科学と人間生活/中学理科第2分野の授業や課題研究・課外活動にご活用いただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響で実施できずにいた学内外から広く受講者を募り、大学に集めて対面で行う発生生物学実習を再開することができた。学内の大学院生を対象とする部局横断・学年縦断での遺伝子多型解析実習を今年度も実施し、前倒しで実施し、分子生物学分野の実験経験が全くない文系や工学系の学生にも体験を通して生命科学リテラシーの向上を図ることができた。また、感染防止対策を取った上で対面での実験や課外活動が許容されている高校・中学校等を会場に、前年度試行した蛍光顕微鏡組立実習の規模と内容を拡充したトランスグレード実習講座も開講した。中高生+理科教員(社会人)数名ずつの小グループに、学部学生・大学院 生が本学のキャンパスや自宅から遠隔のTAとして一人ずつ付く形でオンラインで実習を進め、受講者からのフィードバックも得ることができた。当初計画とはやや異なるが、おおむね順調に研究目的に沿った進捗があったと言える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は2023年度が最終年度となるが、5月の連休明けにCOVID-19の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更されたことに伴い、対面での催事開催の制限も低減すると見込まれるため、今年度は受講者を広募する形で、実験動物を用いた対面での実習講座の構築を中心に進める。これまで3年間オンラインで開催してきた蛍光顕微鏡組立実習講座についても、状況が許せば対面開催形式で再構築したい。 また、2023年度も研究成果公開促進費「ひらめき☆ときめきサイエンス」に採択されたため、これまでの研究成果に当たる実習を中心とするプログラムを高校生を対象に開講し、研究成果の社会還元も継続する。
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