研究課題/領域番号 |
20K03328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤 桂 筑波大学, 人間系, 准教授 (50581584)
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研究分担者 |
遠藤 寛子 埼玉学園大学, 人間学部, 准教授 (30364425)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ネットいじめ / インターネット / セルフ・コンパッション / セルフコンパッション / 筆記開示 / 効果検証 / 介入研究 / メディア / 長期的影響 / 縦断調査 |
研究開始時の研究の概要 |
ネットいじめとは,被害者にとって被害当時のみならず,その後の人生にも長期にわたって様々な悪影響を及ぼし得ることが示されてきた。本研究ではこの問題を解決するために,どのような要因によって,またどのような過程を経ることで,被害経験後の悪影響から回復・脱却できるかについて解明することを目的とした調査を行う。 そして,一連の研究を通して得られた知見を総合し,被害経験からの回復を促すための新しい介入プログラムを開発し,その効果を実験的に検証する。 本研究を通して,学校現場での問題発生時の対処のみならず,学校卒業後にも続く当事者の人生に対する支援のあり方を問い直し,さらにより良いものとしていくことを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究計画では,より深刻化しつつあるネットいじめに着目し,被害経験後の否定的影響の持続とそこからの回復過程に着目し,調査および介入研究を行った。 一連の研究を通して,第一に,ネットいじめ被害は当該経験から数年以上の期間が経過した時点であってもなお否定的な心理的影響をもたらすこと,第二に,被害経験後は周囲への開示が抑制されたままの状態となりやすく,かつ,ネットおよび対人関係に関する否定的な信念が維持されやすいことが示された。しかし第三に,こうした状態にある被害経験者に対して,セルフ・コンパッションの知見を応用した介入が一定の効果をもたらし得ることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究計画により,昨今においてより深刻化しつつある社会問題としてのネットいじめに対し,被害経験者がどのような心理的過程を辿るかについて実証的データを通じて明らかにすることができた。被害者を対象とした長期的な心理的状態の推移について検討した研究は希少であり,その点で高い学術的意義を有するといえる。 また,被害経験者への介入および回復過程の支援に関して新しい介入方法を開発するだけでなく,実際に肯定的な心理的効果をもたらすことも併せて検討することができた。これからの教育現場および臨床現場にも有用な知見として,一定の社会的意義を有するといえる。
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