研究課題/領域番号 |
20K03435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金生 由紀子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00233916)
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研究分担者 |
江里口 陽介 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (10776115)
松田 なつみ 白百合女子大学, 人間総合学部, 講師 (20814685)
松村 舞子 (野中舞子) 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 講師 (30791941)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | チック / 心理教育 / インターネット / ランダム化比較試験 / 慢性チック症 |
研究開始時の研究の概要 |
チックの特徴を踏まえた認知行動療法(CBIT)について海外ではエビデンスが蓄積されているが、日本では実施が限られている。そのためチックへの対応が不適切となり苦痛や自尊感情の低下が生じている可能性がある。本研究では、チックの適切な理解と対応を促し、将来的にはCBITにつながるように、また、日本のどこでも受けられるように、強力な心理教育のインターネット教材を開発する。そして、その使用によって、チックに伴う苦痛の軽減や自尊感情の改善などが起こるかをランダム化比較試験(RCT)にて検証する。
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研究実績の概要 |
2021年度末までに強力な心理教育のインターネット教材の第1版が完成しており、それを用いて予備調査を実施した。慢性チック症であるトゥレット症の当事者数名や家族に自宅にてパソコンなどを用いてこの第1版を1ヶ月間以内に視聴してもらい、用意していた評価バッテリーを用いて視聴の前後で評価を実施すると共に、視聴後に面接を行って教材に関する意見を求めた。4部構成の中で④チック症との付き合いについては、成人の架空事例の紹介も複数含まれていて比較的低年齢の子どもが視聴する場合には負担感があるかもしれないという家族の指摘もあったものの、おおむね好意的な反応であった。同時に、③ハビットリバーサルの基礎理解について、動画を用いた具体的な説明があるとより良いという意見があった。以上を踏まえて基本構成はこのままとするが、ハビットリバーサルの実際を示す動画を追加作成して補助教材とすると共に、負担感なく視聴してもらえるように配慮しつつホームページを調整して、最終版とした。また、視聴前後に実施する評価バッテリーについても検討して、半構造化面接によるYale Global Tic Severity Scale(YGTSS)に加えて質問紙であるParent Tic Questionnaire(PTQ)またはAdult Tic Questionnaire(ATQ)も実施することにした。チックの評価を強化すると同時に、YGTSSとPTQまたはATQとの関連を検討することも視野に入れている。 2023年2月1日にUMIN-CTRに登録して、ウェイティングリスト・コントロール・デザインを用いたRCTとして実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度には最終版を用いたRCTを実施してその結果を解析する予定になっていたが、前年度からの遅れを踏まえて、予備調査の実施から始めなくてはならなかった。その後も。予備調査を実施してそれに基づいた教材や評価バッテリーの検討及び修正の過程に時間がかかり、年度の後半でようやく本調査が開始となった。 そのため、必要なデータを収集した上で検討するにはさらに1年間が必要であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年間延長して、RCTを完遂させ、最終版の教材を用いた心理教育の有効性を検証する。そのため、ホームページや掲示物を用いた広報に加えて、日本トゥレット協会の会員を通じた当事者や家族への情報発信など、十分な研究参加者を得るように努める。また、ブラインドでの評価が円滑に進むように、評価者を追加してYGTSSによる評価の技能習得も行う。
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