研究課題/領域番号 |
20K03443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
米田 孝一 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (90706798)
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研究分担者 |
浅川 明弘 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10452947)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | トラウマ / PTSD / EMDR / 身体症状 / 機能性神経症状症 / 光トポグラフィ / NIRS / 心因性失声 / 心的外傷後ストレス障害(PTSD) / 眼球運動による脱感作と再処理法 (EMDR) / 近赤外分光法 (NIRS) / 光トポグラフィー / 背外側前頭前野 (DLPFC) / 不快な記憶 / 神経基盤 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は心療内科医としてストレス関連疾患の治療に従事する中でEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)を施行し、その効果を実感している。未解明の部分もあるEMDRのメカニズムを明らかにすることは、より効果的な治療を進めることにつながる。本研究では治療中に刻々と変化する脳活動を近赤外線分光法(NIRS)で捉え、バイオマーカー、心理検査の変化と合わせて三位一体でEMDRの解明に挑む。
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研究成果の概要 |
トラウマに対する精神療法に眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)がある。本研究は近赤外線分光法(NIRS)を用いてEMDRによる治療中の脳血流の変化を捉えた。EMDRの開始とともに徐々に左前頭葉の背外側前頭前野 (DLPFC)の賦活が上昇し,右DLPFC近傍の賦活も見られるようになっていく傾向を認めた。DLPFCは不安制御に関わり,EMDRがDLPFCを刺激してトラウマに対する感情制御を行うという効果をもたらしていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PTSD及びトラウマに対するEMDRという精神療法が効果をもたらす脳内メカニズムの一部を明らかにした。DLPFCという脳の部位が不安や感情のコントロールに関わり,EMDRはそのコントロールを正常に取り戻していく効果があることを本研究で示すことができた。さらに,PTSDやトラウマに結びついた身体症状も改善せることが可能であることも明らかにした。この成果はトラウマ治療のみならず機能性神経症状症(変換症/転換性障害)の治療に応用できる可能性を示唆するものである。
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