研究課題/領域番号 |
20K03462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
神原 憲治 香川大学, 医学部, 教授 (90440990)
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研究分担者 |
澤田 砂織 公益財団法人京都高度技術研究所, 未来プロジェクト推進室, 主任研究員 (30373509)
小西 奈美 京都橘大学, 看護学部, 専任講師 (30535810)
吉田 信明 公益財団法人京都高度技術研究所, 研究開発本部, 主任研究員 (00373506)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ストレス反応 / ストレス関連疾患 / 心拍変動 / 機械学習 / モデル / アロスタティック負荷 / 多変量解析 / アロスタシス / パターン |
研究開始時の研究の概要 |
複雑化するストレス社会の中で、医療や心理臨床など様々な分野でストレスと身体の関係解明の重要性が増している。ストレスによる心身の反応については種々検討されてきたが、関係性の有無や程度だけでなく、ストレス前-中-後にわたる変化のパターンが個々の臨床像にどのように関係するかが臨床応用やストレス研究において重要である。 そこで本研究では、①生理的ストレス反応-回復と心理・臨床情報の多変量データから、機械学習等により臨床的に意味のあるパターンを抽出し、②それらのパターンからストレス反応の心理・疾患モデルを構築し、③新たな対象にそのモデルを適用してモデルの妥当性や疾患リスクの予測などの臨床応用を検討する。
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研究実績の概要 |
複雑化するストレス社会の中で、医療や心理臨床など様々な分野でストレスと身体の関係解明の重要性が高まっている。本研究では、ストレス関連疾患における生理的ストレス反応、心理・臨床情報の多変量データから、臨床的に意味のあるストレス反応パターンの抽出と、ストレス反応モデルの構築を目的とした。今年度の実績の概要は以下の通りである。
①社会機能やQOLの低下が特徴的なストレス関連疾患において、心拍変動のストレス反応の特徴的パターンが抽出された。健常人では安静時に迷走神経系心拍変動が高く、ストレス負荷により大きく低下するが、その後速やかに回復する。これに対して、QOLが低下したストレス関連疾患では、安静時から迷走神経系心拍変動が低下しており、ストレス反応はほとんどみられず、その後の回復もない「フラットで低いパターン」が認められた。一方、交感神経機能を含む心拍変動については、ストレス反応が健常人より高く、交感神経反応がこのパターンに寄与する可能性も示された。この結果について Appl Psychophysiol Biofeedback誌に投稿・掲載され、その概要をウェブ上に公開した。
②生理指標のストレス前~後にかけての時系列変化について、機械学習の時系列処理に適した枠組みであるリザバーコンピューティングによる検討を行った。多変量の生理指標(心拍、スキンコンダクタンス、皮膚温)における15分のストレス前後の変化が、気分やQOLなどの心理状態を予測できるか検討した結果、気分障害の予測における有用性が示された。機械学習の性質上、どのような時系列変化の特徴が気分障害に関与するかは明確でない。今後、説明可能な従来型解析と組み合わせてその特徴を特定する必要がある。リザバーコンピューティングは、時系列パターン認識への応用が期待されており、ストレス反応パターン解析における大きな可能性が確認できた。
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