研究課題/領域番号 |
20K03475
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 関西大学 (2022-2023) 梅花女子大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
廣川 空美 関西大学, 社会安全学部, 教授 (50324299)
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研究分担者 |
権藤 恭之 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (40250196)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 高齢者 / 幸福感 / 文化的価値 / 快楽主義 / 教育 / 地域づくり / ソーシャル・キャピタル / 自己コントロール / 抑うつ感 / 不確実性の回避 / エイジズム / 文化 / 国際比較 / 地域活動 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の幸福感に及ぼす文化的価値指標の影響を明確にし、文化的影響を考慮した地域活動プログラムを考案する。具体的な目的は以下の3点である。 (1)高齢者の心身の健康や幸福感について、文化的指標による相違点を明らかにする。 (2)日本人の高齢者を対象として文化的指標の影響を個人レベルで測定する尺度を作成し、日本国内での地域による差異を検証する。 (3)地域による文化的影響の違いや、高齢者の幸福感を高めている地域施策等の要因を分析する。その結果から文化的指標に基づいた高齢者の幸福感を維持する地域活動プログラムを考案する。
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研究成果の概要 |
本研究は、高齢者の幸福感と地域の文化的価値観との関連を調査し、幸福感を高めるための地域づくりについて検討した。幸福感の地域差について、アメリカ合衆国のHRSデータでは、出身地域の教育が高齢期の心身の健康と関連することが示された。日本人の調査データでは、居住地域での教育差があり、移住した人の方が高い教育を受けていた。ヨーロッパ諸国の文化的価値観と幸福感との関連については、快楽主義が年齢と幸福感を媒介していることが示された。日本人の快楽主義には、生活の便利さ、高収入、ソーシャル・キャピタルの高さが関連していた。「祭り」への参加など、ソーシャル・キャピタルを維持する地域の取り組みが必要と考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、「快楽主義」という文化的価値観が幸福感を醸成する地域づくりのキーワードとして抽出された。「快楽主義」の中心的要素は、娯楽やレジャーの時間を大切にし、自由に意見を述べ、生活を自在にできる、自己のコントロール能力を重視することが示された。自己コントロール能力を育成する環境が地域には求められ、一緒に楽しむことができる仲間も必要であることが分かった。高齢者が幸福感を維持するためには、ソーシャル・キャピタルが豊かな地域づくりが必要であり、そのためには個人が積極的に地域活動に参画することが求められる。地域には、自己コントロール能力を育成するための教育力が必要とされていることが示唆された。
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