研究課題/領域番号 |
20K03485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
後藤 和宏 相模女子大学, 人間社会学部, 教授 (20546725)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | げっ歯類 / マウス / 相対的数量弁別 / メンタルナンバーライン / SNARC効果 / 比較認知 / 数量認知 / アンサンブル知覚 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,げっ歯類を研究対象として数量認知について実験的検討を行う。数量認知の比較研究において注目されている問題のうち2つの問題を取り上げる。1つ目は,数量の大小を空間配置(小さい量を左,大きい量を右)と対 応づけるメンタルナンバーラインの問題である。2つ目は,複数の物体を同時に捉え,平均などの要約統計量を手がかりとするアンサンブル知覚の問題である。本研究では,マウスが数量の大小を弁別できることを示した上で,これらの数量認知について他の動物種との類似点・相違点を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では,マウスにおける数的認知の2つの側面を調べるために一連の実験を行った。まず,数量を空間的配置(例えば,小さいのを左,大きいのを右)に対応づけるメンタルナンバーラインを検討した。被験体ごとでは,数量の大きさを左右の空間配置に対応づける傾向がある程度一貫して見られたが,被験体間で一致してはいなかった。次に,アンサンブル知覚を検討した。アンサンブル知覚では,マウスが複数の物体を同時に知覚し,「平均値」などの要約統計量を弁別手がかりにするか検討した。マウスは要約統計量に基づいて刺激を弁別することができた。しかし,要約統計量以外の説明可能性も残っており,それらを排除することが今後の課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メンタルナンバーラインやアンサンブル知覚は,動物種を問わず報告例が極めて少ない。げっ歯類は汎用的な実験動物でありながら,このテーマに関して視覚刺激を用いた研究がなかったため,種間比較という観点でも得られる知見が重要である。また,汎用的な実験動物であるがゆえに,方法論的問題について考察するうえでも重要である。それらの重要性に加え,遺伝子組換え,光遺伝子操作などの神経科学の様々な機能計測ツールを用いた研究展開が可能なマウスを対象に研究を進めることで,将来的には神経基盤の研究まで含めた展開を視野に入れることが期待できる。
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