研究課題/領域番号 |
20K03533
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高村 茂 京都大学, 理学研究科, 准教授 (20362436)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | モジュライ空間 / 普遍族 / 滑層分解 / 固定化部分群ポセット / 群作用 / 幾何的ガロア対応 / クライン曲線 / 群の高次構造 / 部分群ポセット / 順序複体 / 準単体複体 / 分岐現象 / モノイド / 部分群積 / コセット積 / 軌道ポセット / ポセット・ブローダウン / コセット・モノイド / 部分群モノイド / ハッセ図 / 群作用変形族 / 群作用幾何 / 代数曲線 / 写像類群 |
研究開始時の研究の概要 |
代数曲線のモジュライ空間上の普遍族やさまざまな代数曲線族を、線形商族に帰着させてパノラマ的に記述することを目指す。ここで、代数曲線の自己同型群の作用や表現、写像類群の組み合わせ的構造が重要な役割を果たす。普遍族の構造を、代数幾何・トポロジー・複素解析を重層的に結び付けて考察する。さらに、普遍族のより根源的な理解を目指して、群作用を「代数多様体もどき」として扱う理論``群作用幾何''および、それを下支えする``群の幾何''(いわば代数幾何的群論)を構築する計画である。また、計算機を使って写像類群の部分群束のハッセ図の作成や固定部分群束の具体例の計算を行う。
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研究成果の概要 |
代数曲線のモジュライ空間とその上の普遍族の(特異軌跡による)滑層分解を具体的に記述するため,線形商族の理論を推し進め,固定化部分群ポセット(幾何的ガロア対応により滑層分解に対応)を決定する2種類のアルゴリズムを確立した.これらを計算機 に実装し,具体例に適用して滑層分解に関する新たな知見を得た. また,群作用幾何への応用を念頭に置いて,群に「高次構造」を導入した.これは部分群積やコセット積からなり,モノイドをなす.それらの分岐を反映する準単体複体``分岐複体''を構成した.これは群の幾何的不変量である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モジュライ空間上の普遍族の局所的描写を計算機上で実行可能なアルゴリズムとして実装でき,様々な具体例の計算・比較が容易となった.これは,今後のモジュライ空間の研究に大いに役立つと期待される. 群の高次構造の構成要素である部分群積やコセット積の分岐現象は,これら高次対象の導入で初めて意味を持つもので,単に部分群やコセットなどの古典的対象(これらは,いわば「一次」の対象)からは導出されえない. したがって分岐複体は,古典的対象を超えたところにある,群の深い性質を反映していると言え,今後,分野横断的な研究対象となることが期待される.
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