研究課題/領域番号 |
20K03544
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
中島 徹 日本女子大学, 理学部, 教授 (20244410)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 代数幾何符号 / ベクトル束 / adelic曲線 / adelic符号 / Seshadri定数 / adelic ベクトル束 / Arakelov幾何学 |
研究開始時の研究の概要 |
データを送信する過程で生じた誤りを訂正し、元の情報を復元するための誤り訂正符号は現代のIT社会に欠かせない技術である。本研究では、数と図形を共通の枠組で取り扱うことを可能にするadelic幾何学と呼ばれる理論を用いて、従来知られている既知の様々な符号を統一する新しいタイプの符号(adelic符号)を導入する。又、その性質を調べることによって従来より高い性能をもつadelic符号を構成することを目指す。
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研究成果の概要 |
誤り訂正符号は現代の情報通信に於いて不可欠な技術であり、その中でも代数多様体を用いた代数幾何符号は高い訂正能力をもつ。当課題では、adelic曲線とその上のベクトル束を用いてadelic符号と呼ばれる新しい型の代数幾何符号を構成し、その諸性質についての研究をおこなった。その結果、適当な仮定の下でadelic符号の最小距離や次元などのパラメーターを決定し、幾つかの具体例で詳細な性質を調べた。また、正標数の体上のベクトル束のasymptotic minimal slopeとadelic符号との関係を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当研究によって、有限体上の代数多様体と算術的多様体から定義される異なるタイプの代数幾何符号達をadelic符号の観点から統一的に理解するための枠組みを与えることができた。この結果は代数幾何符号の対象を大幅に拡大していくことを可能にするという点で重要な意義をもつものと考えられる。また、当研究ではasymptotic minimal slopeという正標数のベクトル束に固有の不変量を用いて符号のパラメーターを評価する新しい手法を開発できた。今後この手法を更に発展させることによって従来より高い性能をもつ誤り訂正符号が構成できれば情報通信の分野への応用が期待される。
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