研究課題/領域番号 |
20K03620
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
野澤 啓 立命館大学, 理工学部, 准教授 (80706557)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 葉層構造 / 力学系 / カオス / タイル張り / トポロジー / 群作用 / 情報幾何 / 剛性 / 微分幾何 / グラフ理論 / 調和測度 / 剛性理論 / 十分統計量 / フルネ標構 / 微分位相幾何 / カントール集合 / タイル貼り |
研究開始時の研究の概要 |
葉層構造とは,与えられた空間のより次元の低い空間(葉)への分割であって,各点の十分近くでは直積の構造を持つ幾何構造のことである.与えた幾何的条件を満たす葉層構造が特別な対称性を持つとき,それらの葉層構造は剛性を持つという.剛性を持つ葉層構造の知られている例には多くないが,いずれも豊富な幾何を内包する興味深い対象となっている. 本研究では, 葉の大域幾何的性質に着目した上で,剛性を持つ葉層構造の新たな例を構成し,分類問題やタイル貼りの研究に応用する.
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研究成果の概要 |
葉層構造の剛性について様々な視点から研究を行った.まず,曲面群の円周への作用について研究し,サーストンの接続を用いてその懸垂葉層の調和測度が持つ剛性を明らかにした.その応用として,ミルナー・ウッドの不等式や松元の剛性定理のカスプ付き曲面へのバーガー・イオッツィ・ヴァインハルトらによる一般化といったよく知られた剛性定理の別証明を与えた.また,非コンパクト型対称空間上のデローネ集合(一様に散らばった点集合)の新たな例を切断射影法の一般化により構成した.これらに加え,カントール集合への同程度連続な群作用の新たな例の構成を行い,彩色グラフのカオス的性質を位相的な観点から調べた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
葉層構造は群作用,偏微分方程式などの自然現象をとらえるための理論において現れる幾何的対象である.本研究では,葉層構造の中でも特に対称性の高いものやカオス的な性質を持つものに注目し,様々な研究を行った.これらの葉層構造はリーマン面の幾何学などの古典的数学にも現れ,幾何学,代数学,複素解析や物理学などにおいて研究されている.本研究の結果はこれらの関連分野の研究を深めるために意義があると考えられる.
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