研究課題/領域番号 |
20K03650
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
三浦 毅 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90333989)
|
研究分担者 |
大井 志穂 新潟大学, 自然科学系, 助教 (90891789)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 可換Banach環 / 関数環 / 等距離写像 / Tingley's problem / Mazur-Ulam property / isometry / local map / local isometry / 2-local isometry / 端点 / Banach空間 / スペクトル / 正則関数 |
研究開始時の研究の概要 |
Banach環とは,大まかに言えば,スカラー倍・和・積と極限に関して閉じた数学的対象である.Banach環はそれぞれの構造が互いに密接に関連しているため,どれかの構造が保たれる変換は,自動的に他の構造も保存しなければならない現象が見られる.このように何らかの構造を保つ変換の構造を解明するのが「保存問題」である.本研究においては,Banach空間において距離構造を保つ変換の構造を解明する.
|
研究成果の概要 |
複素平面の単位閉円板上で定義された複素数値連続関数で,さらに単位開円板において正則であるものに対して,その導関数が連続であるもの全体のなすBanach空間を考察し,その上の全射等距離写像の形を完全に決定した.この研究を発展させ,単位開円板上の有界正則関数に対しても類似の結果が成り立つことが示された.さらにBanach空間全体で定義された等距離写像だけでなく,その単位球面上で定義された全射等距離写像に関する未解決問題であるTingley問題にも取り組み,関数環やある種の微分構造を有するBanach空間に対してTingley問題が肯定的であることを示した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1985年にNovinger and Oberlinは,連続な導関数をもつ単位開円板上のHardy空間H^p関数全体に対して,その間の線形等距離写像の形を決定した.この定理は1≦p<∞のに対して示されているが,p=∞のときは対応する結果が知られていなかった.本研究では連続な導関数をもつH^∞関数全体に対して,その間の等距離写像を解明した.その際,Novinger and Oberlinの定理とは異なり,全射性を必要とするが,線形性を仮定することなく,等距離写像の構造を決定することに成功した. またTingley問題は世界的に活発な研究がなされている未解決問題であるが,その部分的解答も与えている.
|