研究課題/領域番号 |
20K03662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
古谷 賢朗 大阪公立大学, 数学研究所, 特別研究員 (70112901)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Conic singularity / Radon 変換 / sub-Riemann 構造 / sub-Laplacian / Fourier 積分作用素 / pseudo H type Lie 環(群) / 一様離散部部分群 / 国際共同研究 / Fourier積分作用素 / Radon変換 / Incident relation / Fredholm作用素 / Clifford代数 / pseudo H-type群 / 一様離散部分群 / Calabi-Yau 構造 / Symplectic 多様体 / polarization / Bargmann 変換 / Lagrange sub-manifold / Cayley projective plane / 不変多項式 / 大域解析学 / sub-Riemann構造 / Spectral invariants / ベキ零LIe群 / 劣楕円型作用素と熱核 |
研究開始時の研究の概要 |
楕円型微分作用素は多様体の幾何構造と密接に関連していることが発見されて半世紀余り経ち相当の研究の集積がある。本研究は関連する研究の一つの展開として、楕円型でないが大域的に定義される作用素(sub-Laplacian)とそれを許容する構造を持つ多様体( = sub-Riemann多様体)の関係を研究する。この構造を持つ多様体は限定はされているが多くの主束(principal bundle, 一点の構造を記述している幾何構造と見る)の全空間はその構造も持つ良い性質を持っている場合が多くあり、研究対象は豊富である。そのような多様体の具体例と範疇を明確にし、楕円型の場合には現れなかった不変量とこの構造の不変量の関連を研究する。
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研究実績の概要 |
(1)Conic singularity を持つ多様体上の conic metric に関する熱核を擬微分作用素の symbol calculus の理論に基づいて特殊関数による具体表示を求める研究を一昨年より継続した。ここでは変形 Bessel 関数の parameterに関する導関数の挙動を調べる事が重要であることが分かっているが、2022年度中には最終形には至っていない。 (2)並行して、double submersion により 定義される一般 Radon 変換の内 Fourier 積分作用素になっているものについて、昨年度よりの研究を継続した。目標はいつそのような Radon 変換が Fredholm 作用素になるかの判定条件とそのindex公式を得ることである。2023年度に集中して研究出来るところまで整理が進んだ。 (3)本年度に最も集中して取り組んだ問題が、pseudo H type Lie 群の一様離散部分群の構成と分類の問題である。研究代表者が2022年秋に共同研究者の在籍する Norway Bergen 大学を訪問、また2023年3月にはその共同研究者を日本に招聘し、対面での共同研究を通じて一定の結論を得ることが出来た。ここでの結論は invariant orthonormal lattice を Clifford 代数を生成する Euclid 空間の次元が16以下の場合について一般構成の方法と分類を完成出来たことである。このタイプの一様離散部分群は最も基本的なものである。一番次元が低いHeisenberg 環(群)の場合は一つしかなくて、その部分群の分類は精細に行われている。同じようにそれらの部分群で更に一様離散部分群になっているものの分類は今後の問題の一つであるが、16次元以上の場合の構成と分類の問題に対する見通しと、この範疇のベキ零多様体に対するスペクトル逆問題への応用にも期待出来ることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で2022年後半までは共同研究者とは直接出会って議論する機会がなく研究の進展がやや遅れていたが、2022年秋からは直接対面で議論を再開し、研究実績概要の項の(3)の問題が急速に進展し、現時点で原稿がほぼ完成した。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績概要の項の (3)について原稿の推敲をここ2ヶ月あまりの間に済ませ投稿することが今年度の最初に予定である。6月中旬から2ヶ月ほどドイツ ハノーバー大学に滞在し研究実績概要の項の(2)の問題を共同研究者と対面による研究を進める予定である。秋には本科研費を含め所属の大阪公立大学数学研究所からの補助も得て(決定済み)、研究集会「楕円型および劣楕円型作用素と関連する幾何構造」の題目で本研究の直接の進展及び今後の更なる発展にとって有意義であろう研究集会を上記研究所で開催する。
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