研究課題/領域番号 |
20K03703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小野寺 栄治 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 准教授 (70532357)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 非線型分散型偏微分方程式 / 偏微分方程式の初期値問題 / 分散型偏微分方程式 / 分散型写像流 |
研究開始時の研究の概要 |
分散型写像流方程式とは、ある種の曲がったリーマン多様体に値を取る写像流がみたす分散型偏微分方程式の総称である。これらの具体例は数理物理学や可積分系理論との関連において現れるが、解が値を取る像空間として、実2次元球面やエルミート対称空間などのケーラー多様体が設定されることが多い。本研究では、偏微分方程式論の視点を積極的に用いて、幾つかの高階(4階以上)の分散型写像流方程式の初期値問題に対する解法研究の深化・展開を試みる。
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研究成果の概要 |
主に、コンパクトケーラー多様体上の曲線流がみたすある4階非線型分散型偏微分方程式およびその初期値問題を考察し、以下の成果を得た。 (1)曲線流の定義域を1次元平坦トーラス、像空間をコンパクト局所エルミート対称空間と設定し、高次ソボレフ空間における初期値問題の時間局所解の一意性を証明した。 (2)曲線流の定義域を実数直線と設定し、一般化橋本変換の方法を発展させ、この偏微分方程式を複素数ベクトル値関数がみたす空間1次元4階非線型分散型偏微分方程式系に変換する方法を与えた。また、変換後の系に関連した、複素数ベクトル値関数がみたすある4階非線型分散型偏微分方程式系の初期値問題の時間局所適切性を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上記成果(1)について:閉曲線流の場合の像空間への設定という意味ではこれ以上の緩和はほぼ不可能と思われる局所エルミート対称性のもとで初期値問題が一意可解であることが確認された。そのために考案した、像空間をユークリッド空間に等長的に埋め込んだときの局所エルミート対称性の利用法は、他の類似的問題への応用も期待される。 上記成果(2)について:像空間が高次元コンパクトケーラー多様体である場合も含めて統一的に扱うことのできる変換法が与えられた。複素次元が2以上のコンパクトケーラー多様体の構造と単独でない非線型4階分散型偏微分方程式系の構造との対応という融合的観点から更なる研究の発展が期待される。
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