研究課題/領域番号 |
20K03706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
菊池 弘明 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (00612277)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 定在波 / 基底状態 / 閾値解 / 分類 / モース指数 / 非退化性 / 二重べきの非線形楕円型方程式 / 正値解 / Threshold solution / 散乱 / 爆発 / one-pass theorem / 一意性 / 非線形シュレディンガー方程式 / エネルギー臨界 / 臨界振動数 / 質量臨界 / 分岐解 / 線ソリトン / ソボレフ臨界・超臨界 / 非線形楕円型方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究では, 主に2つの研究を取り扱う. 一つはソボレフ臨界の増大度を持つ非線形項シュレディンガー方程式の大域挙動である. これまで空間3次元の場合は, 4次元以上とは異なり, 基底状態と呼ばれる解が存在しない場合があることが判明した. 基底状態は大域挙動を調べるのに重要な役割を果たすが, 空間3次元においては大域挙動はどのようになるかを解析したい. もう一つは指数型の非線形項をもつ楕円型方程式である. これまで空間3次元以上については正値解の構造を調べることが出来たが, 空間2次元においては非線形性が弱く, 解析することが難しい. 本研究ではこの空間2次元の解構造を調べたい.
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研究成果の概要 |
一つ目の成果は、シリンダー上の非線形シュレディンガー方程式の定在波の存在についてである。それまでは、定在波が存在するためには、べき型非線形項の指数に制限があったが、その制限を外した。二つ目の成果は、二重べき非線形シュレディンガー方程式の基底状態についてである。この方程式は、臨界振動数があり、それを境に基底状態の存在・非存在が分かっていたが、ちょうど臨界のときは不明であった。そこで、爆発解析という手法を用いて、この場合は存在することが分かった。三つ目の成果は、二重べき非線形シュレディンガー方程式の解の大域挙動である。基底状態と同じエネルギーを持つ解の大域挙動を初期により分類出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シリンダー上の非線形シュレディンガー方程式の定在波の存在で用いた手法は、他の方程式にも応用が期待できるため、汎用性があるものと思われる。二重べき非線形シュレディンガー方程式の基底状態の存在・非存在については、これまでみられなかった現象が起きることを証明でき、学術的に興味深い。最近では、対応する楕円型方程式の正値解を分類することも出来、今後も進展が期待される。二重べき非線形シュレディンガー方程式の解の大域挙動に関しては、既存の手法とは異なり、one-pass theoremと呼ばれる定理を用いて証明した。この定理が成立すれば、一般の非線形項に対して同様の結果を得られることが期待出来る。
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