研究課題/領域番号 |
20K03785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
礒部 雅晴 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80359760)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 動的ファシリテーション / 構造ガラス / 遅い緩和 / 非平衡相転移 / 分子動力学法 / 局所構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
高密分子・ガラス系の「相転移」や遅い緩和に関する「神秘な物性」の解明は、大きな難問となっている。近年、人間が構成する組織を活性化し協働促進させる「ファシリテーション」が注目を集めているが、分子が構成するガラス系でも「ファシリテーション」が起こるとする独創的な理論が提唱され注目を集めている。ガラス転移近傍で起こる現象は、長年研究されてきた有力な理論と同程度に説明でき、大きな論争となっている。本研究では,高密剛体球系を解析するオリジナルな方法論を基礎に、分子シミュレーションとコロイド実験の双方から構造ガラスをめぐる「遅い緩和」の微視的機構を解明し、理論の検証を国際研究協力体制にてめざす。
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研究成果の概要 |
「ガラス・ジャミング転移」それらの類似性に着目した「遅い緩和」を記述する統一的(普遍的)枠組みに関する研究が世界中で精力的に行われている.様々な視点から努力がなされてきているにも関わらず,決定的な概念や理論が存在せず多くの理論や方法論が創生され,研究者を魅了し続けている.本研究では,研究代表者の開発した高密剛体球系解析の高速な方法論を用い「フリージング(freezing)」「フリーエナジー(free energy)」「ファシリテーション(facilitation)」という概念を軸に,構造ガラス系の遅い緩和の「微視的起源」と「非平衡相転移」の解明を目標とし,研究を遂行した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,人間組織における「ファシリテーション」が注目される中,分子ガラス系でも「ファシリテーション」の存在を示唆する独創的な理論が提唱され,大きな論争となっている.本研究では,新しい方法論を基礎に,国際協力体制で分子シミュレーションとコロイド実験の双方から,剛体球モデル系における構造ガラス系の「遅い緩和」の微視的機構を探求した.開発された計算手法は高密度分子系の構造解析に広く応用可能であり,準空隙駆動ひも状ホッピング連鎖運動の発見はガラス形成物質の基礎理論に重要な知見を与えると考えられる.これらの成果は,ガラスの材料設計や制御,粉体工学,ソフトマター物理学など幅広い分野への応用が期待される.
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