研究課題/領域番号 |
20K03801
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮本 辰也 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (40755724)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | テラヘルツ電場誘起相転移 / ポンプ-プローブ分光 / 強相関系 / 量子トンネル効果 / 絶縁体-金属転移 / 光誘起相転移 / 高強度テラヘルツパルス / 強相関電子系 / ポンプープローブ分光 / モット絶縁体 / 超高速現象 / テラヘルツパルス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、モット絶縁体・電荷秩序絶縁体・励起子絶縁体などの強相関系絶縁体を対象として、MV/cm級の電場振幅を持つテラヘルツパルスを用いて、量子トンネル効果によるキャリア生成に基づいた高速の絶縁体―金属転移や反強磁性―強磁性転移を実現することを目的とする。ポンプ-プローブ分光測定によって得られた過渡光学スペクトルを解析することによって、その物理的機構を解明するとともに、テラヘルツ誘起相転移の学理を構築する。
|
研究成果の概要 |
3 MV/cmを超える電場強度を持つ高強度テラヘルツパルスをポンプ光として利用したテラヘルツポンプ-広帯域光プローブ分光測定系を開発した。それを強相関系絶縁体である一次元モット絶縁体ET-F2TCNQ、励起子絶縁体Ta2NiSe5、電荷秩序絶縁体Gd0.55Sr0.45MnO3に適用した結果、テラヘルツ電場による量子トンネル効果によってキャリアが生成し、それをきっかけとして絶縁体-金属転移が生じることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で実証したテラヘルツ電場誘起絶縁体-金属転移は、光励起の場合と比較して高効率であった。そのため、テラヘルツパルスを利用した新しい動作原理を持つ省電力の光スイッチへの応用が期待される。また、量子トンネル過程に基づいたキャリア生成は、元素置換による化学的キャリアドープが困難な物質も含め、様々な強相関系物質にキャリアを注入する新しい手法として、広く利用できると考えている。
|