研究課題/領域番号 |
20K03825
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
日高 宏之 北海道大学, 理学研究院, 助教 (90466459)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 奇パリティ多極子 / 電気トロイダル四極子 / 交差相関応答 / 電流誘起格子歪み / 磁気圧電効果 / 電気トロイダル四極子秩序 / 空間反転対称性を持たない金属磁性体 / 空間反転対称性対称性 / 熱膨張 |
研究開始時の研究の概要 |
固体中の多彩な秩序状態は、電荷・磁荷分布の異方性を特徴づける物理量である多極子の秩序として一般に記述することが出来る。特に、空間反転対称性を持たない固体中ではパリティが奇の多極子が活性になりえ、そこでは電流誘起格子歪みといった交差相関応答の発現が期待される。本研究では、その存在が実験的には未確定である奇パリティ多極子の一種である「電気トロイダル四極子秩序」について、金属化合物CeCoSiとCd2Re2O7における電流誘起格子歪みの観測を試みることでその検証を行う。
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研究成果の概要 |
結晶構造に空間反転対称性を持たない固体中においては、電子は「奇パリティ多極子」と呼ばれる特異な自由度を持ちうる。本研究では、この奇パリティ多極子の一種である「電気トロイダル四極子」の秩序に起因する「電流誘起格子歪み」を観測することを目的とし、空間反転対称性を持たない金属磁性体に対する実験的検証を行った。研究期間中に、独自に電流誘起格子歪み測定システムの構築を行い、対象物質の低温秩序状態において、電気トロイダル四極子秩序に関連すると考えられる電流・磁場誘起格子歪みが発現している可能性があることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で対象としたのは結晶構造に空間反転対称性を持たない金属磁性体である。そこで電子が持ちうる「奇パリティ多極子自由度」の研究は、固体物性分野において近年特に注目されている主題の一つである。また、それに起因する交差相関応答などの機能物性は応用分野への発展も期待されており、奇パリティ多極子の実験的検証は急務の課題である。本研究で得られた新たな実験手法の開発や交差相関応答に関する知見は、今後の固体物性研究のさらなる進展に繋がるものである。
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