研究課題/領域番号 |
20K03832
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
古川 はづき お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70281649)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ペロブスカイト酸化物超伝導 / 超伝導対称性 / 中性子小角散乱 / 偏極解析 / スピンシングレット / スピントリプレット / スピン帯磁率 / 超伝導 / 中性子散乱実験 / 単結晶試料 / 中性子実験 / 強相関電子系 / 電子対対称性 / 偏極中性子回折実験 / 単結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
ペロブスカイト型遷移金属酸化物超伝導体Sr2RuO4の超伝導対称性については、長年に渡り「p波超伝導」が強く主張されてきた。しかし、最近になり、これまでの説を覆しうる重大な発見があった。本研究では、超伝導対称性の確定に必須な3磁場方向(//[100], [110], [001])に対するスピン帯磁率の温度依存性の精密な測定を実行し、この系の超伝導対称性を決定することに挑戦する。
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研究成果の概要 |
Sr2RuO4の超伝導対称性を確定するために①偏極中性子小角散乱法を用いてスピン帯磁率の温度依存性の測定、および、②非偏極中性子小角散乱法による磁束格子散乱の磁気形状因子へのスピン偏極したコアからの寄与の有無について検証実験を試みた。 結果的に①については、用いた装置の測定精度内で磁気散乱が観測にかからず、また、②に関しては、目的とする成分の寄与の存在が確認されなかった。②の結果については、Sr2RuO4の超伝導対称性がスピントリプレットであることと矛盾しない結果となっているが、確定的な結論を導くものではないため、今後、①について、より精度の高い実験を実行するための方策を検討することになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペロブスカイト型酸化物超伝導体Sr2RuO4の超伝導対称性については、スピンシングレットを示唆する実験結果も多数報告されていたが、17O-NMRナイトシフトがTc以下低温まで不変であるとしたNMRの実験結果を確固たる証拠として、長年に渡り「p波超伝導」が強く主張されてきた。しかし、近年になり、他のグループが17O-NMRナイトシフトがTc以下で減少することを報告、さらに、これが他のグループによっても追認されたことからこの議論が再炎していた。この混沌たる状況について、決定的な結論を与えうる研究を実行することについては大変意義がある。
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