研究課題/領域番号 |
20K03833
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
村中 隆弘 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (70398577)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 超伝導 / 金属間化合物 / 上部臨界磁場 / 空間反転対称性 / 構造多形 / 遷移金属ホウ化物 / 臨界電流密度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、金属間化合物における結晶構造内の極性が引き起こす物性と高温超伝導という相反する特性を併せ持つ新物質の開発を目的とし、四面体・八面体等の多面体型のネットワーク構造の規則性配列などを導入した物質設計を行う。 本研究の遂行により、特異な超伝導状態以外にも理論的予想を超えた高い上部臨界磁場を示す新超伝導物質の発見が期待され、さらに、金属間化合物の線材加工し易いという利点を併せて、超伝導線材としての応用を見据えた材料開発に発展させる。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、高い超伝導転移温度と高い上部臨界磁場を実現すべく、軽元素ネットワーク化合物、空間反転対称性の欠如、構造多形現象の3つの観点から物質開発と物性解明を進めた。軽元素ネットワーク化合物では新超伝導体(Re,V)2Bを発見し、弱結合BCS理論で説明可能な超伝導であることを明らかにした。空間反転対称性の欠如したβ-Mn型構造超伝導体W7Re13Bに対して、高エントロピー合金的効果の導入に成功し、上部臨界磁場の向上を確認した。構造多形現象を示す超伝導体YRh4B4では、上部臨界磁場が構造タイプで大きく異なる原因を詳細に調べた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超伝導体の線材応用をより広く実現するには、超伝導転移温度(Tc)、上部臨界磁場(Hc2)、臨界電流密度(Jc)の3つがそれぞれ高いことが要請される。そのために、本研究課題で実施した既存超伝導物質への元素置換などの工夫や、特性が優れた新物質の開発が必要となり、超伝導発現メカニズムの解明が不可欠となる。本研究課題では、空間反転対称性の破れから生み出される極性に着目し、現時点では空間反転対称性の欠如した系では達成されていないHigh-TcとHigh-Hc2の双方を有する新超伝導体の開発に取り組んだ。本研究の成果は、これまでの超伝導線材の性能を大幅に超える新しい超伝導物質の発見に資すると考える。
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