研究課題/領域番号 |
20K03910
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
|
研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
渡辺 清政 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (00249963)
|
研究分担者 |
關 良輔 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (80581066)
武村 勇輝 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (60705606)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | MHD平衡 / 非等方圧力 / MHD安定性 / ビーム圧力 / 磁気計測 / MHD不安定性 / FIDA(高速イオン由来Dアルファ線分光計測) / 交換型不安定性 / ヘリカルプラズマ |
研究開始時の研究の概要 |
LHDの核融合炉心相当の高ベータ放電では、交換型MHD不安定性の線形不安定予測領域で安定にプラズマが維持できている。このような放電では非等方圧力が予測され、それが不安定性の安定特性に影響を与えている可能性がある。本研究では、LHDの非等方プラズマで圧力非等方度を同定する手法を開発し、磁力線に平行、垂直方向の加熱特性の違うLHDプラズマで、その手法の妥当性を検証する。また、圧力非等方度の異なるプラズマ放電の不安定性の計測結果から、圧力非等方度による交換型不安定性の発現条件、飽和状態への影響を調べ、その結果を基にLHDの高ベータ放電のMHD安定特性の炉心プラズマへの外挿精度を検証する。
|
研究成果の概要 |
圧力非等方度がMHD不安定性に与える影響を調べるため、ほぼ無電流状態の大型ヘリカル装置実験で、加熱手段や運転密度などの放電条件を変え、ベータ値や圧力非等方度を変えたプラズマに対して、抵抗性交換型不安定性に起因する磁場揺動強度を調べた。その結果、磁力線方向の圧力比率が高いほど、観測される低次の磁場揺動強度が低くなる多くの事例を得た。この結果は、3次元非等方理想MHD不安定性解析コードTerpsichorのKruskal-Obermanモデルによる理論予測結果と一致することもわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
テストLHD実験で達成された経済的な核融合炉心と同等のベータ値を持つプラズマは、主として接線NBIにより加熱されることによる圧力非等方性により、抵抗性交換型不安定性が安定化された結果、高いベータ値が実現された可能性が高いことがわかり、LHDの高ベータ放電のMHD安定特性はそのまま炉心プラズマへの外挿が難しいことがわかった。一方、核融合炉では磁気レイノルズ数がLHDの高ベータ放電より10倍から100倍高い領域で運転することになるので、この場合は依然として、交換型不安定性はベータ値の運転領域を制限しない可能性も高く、この効果の検証が今後の課題であることが明らかになった。
|