研究課題
基盤研究(C)
銀河宇宙線が太陽磁気圏に入射すると、太陽磁場との相互作用を受けるため、宇宙線の強度は変化する。この現象は宇宙線の太陽変調と呼ばれており、太陽活動の11年周期にともなう長期的な変化や太陽の突発的な質量放出(CME)にともなう短期的な減少(Forbush decrease)などが知られている。本研究では、国際宇宙ステーションで稼動中のCALET検出器で得られたデータをもとに、銀河宇宙線原子核成分の月単位の強度変化を5年程度の観測期間にわたって求める。これにより太陽磁気圏内での銀河宇宙線の拡散やドリフトの様子を詳細に理解するための基本的なデータを提供する。
本研究は、太陽圏内での宇宙線伝播過程を詳細に検討するために必要な、粒子別の宇宙線強度の時間変動を求めることを目的としている。このため、地球磁場を用いた低エネルギー原子核の絶対強度算出方法の開発・実用化を行い、これをCALET検出器で観測された実際の観測データへ適用して鉄核の絶対強度算出を行った。この結果を他の実験による観測結果と比較したところ、良い一致を示した。これにより本研究で確立した方法の有効性が示された。
太陽磁気圏で宇宙線粒子のドリフトや拡散の様子が太陽の異なるフェイズでどのように変化するのかなど、太陽圏での宇宙線伝播を理解するためには宇宙空間での継続的な観測データが重要となる。また、地球を取り巻く地球磁気圏、太陽磁気圏内の宇宙線のふるまいは太陽活動と直結しており、これを常時観測することは太陽フレアや磁気嵐など地球の通信網や宇宙空間での人類の活動に影響を与える現象を理解し予測することにもつながっている。
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