研究課題/領域番号 |
20K03988
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小寺 克茂 大阪大学, 大学院理学研究科, 招へい研究員 (60448074)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | カロリメータ / 荷電粒子検出器 / シンチレーションファイバー / 光検出器 / 高エネルギー物理学 / 入射角 / 高エネルギー物理学実験 / カロリメーター / 高エネルギー実験 / Kaon / split / 細分割全吸収型カロリメータ / energy splitting / 物質・反物質の対称性 / KOTO / MPPC |
研究開始時の研究の概要 |
現在までに素粒子物理学で確立された理論は,この世界で起こることを高精度で矛盾なく説明できる.しかし我々の世界に存在する物質の量を説明するには,宇宙創世記にできた物質と反物質の量差を理論的に導き出す必要がある.2008年ノーベル賞の小林・益川理論は,その違いの一部を導くことができるが,現在の物質量に矛盾する(足りない).J-PARC の KOTO実験は,この説明できない物質・反物質の違いを表す現象を探しているが,1000億個の K中間子に対して3つだけ起こる稀な崩壊現象との比較となり困難である.本研究では KOTO のカロリメータを2次元から3次元微細分割に改善し,この稀現象の初観測を目指す.
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研究実績の概要 |
1. 本実験の成果を活用する目的の中性Kaonの崩壊実験(KOTO)と共同で作成した 0.5x0.5mm^2scintillaton fiber を用いた粒子検出器を 2021年の5月に Kaon beam, muon beam に照射してデータを得ていたが,その不感率が 8% であるという結果を得た.この粒子検出器は長さ250 mm の0.5x0.5mm^2scintillaton fiber 288本を隙間なく平らに敷き詰めたもので,16本ずつの応答を1つの 3x3mm^2有感面積の光検出器で読みだしたものである.シンチレーションファイバーを並べて粒子の入射角の測定を試みる本研究の一環でもある.隙間なく敷き詰めてもファイバーには断面にして4% の不感断面(クラッド)があるので,検出器面をビームに対し 20度傾けておいた結果である.この結果をもって今後はファイバーの不感率を考察する. 2. KOTO 実験は0.1Pa の高真空中に検出器を置く必要があるので,本実験の結晶シンチレータに使うための耐真空光電子増倍感を購入し,その性能調査に着手した. 3. 昨年度準備したファイバー読み出し用小型光検出器は特殊な形状のため,それにあわせた読み出し基盤が必要である.このデザインを行った. 4. 吸収層と薄いプラスティックシンチレータ層を席そうし,シンチレータを横方向に分割することで,粒子の入射角度を測定する技術を開発しているグループ(韓国,ソウル大学)と協力関係を作っている.かれらは深層学習方による解析法を開発しており,その方法を学び導入を試みている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本職の実験が忙しく,エフォートを作れなかった.検出器の準備を行ったがそれを使った性能評価に至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
結晶シンチレータ(CSI結晶)を入手したため,ファイバーシンチレータと組み合わせたプロトタイプ検出器を作成し,ビーム試験を行う. 協力関係の韓国のグループが開発した角度解析法を取り入れ,性能改善を試みる.
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