研究課題/領域番号 |
20K04006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
佐久間 史典 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (10455347)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 反K中間子原子核 / 量子色力学(QCD) / KbarNN / KbarNNN / 大型ソレノイド検出器 / 中性子検出器 / MPPC / プラスチック・シンチレーター / K中間子原子核 / K-pn / K-pp |
研究開始時の研究の概要 |
反K中間子と陽子2つが束縛したK中間子原子核「K-pp束縛状態」の存在は、これまで理論的に予想されてきたが、近年J-PARCにおいてその存在が実験的に見出された。この中間子と原子核の束縛状態という全く新しい状態を詳しく調べることにより、これまで量子色力学で精度良く理解されてきた物質構成の理解をさらに飛躍することが出来ると期待される。本研究では、K-pp束縛状態の陽子を中性子に置き換えたK-pn束縛状態(K-pp束縛状態のアイソスピンパートナー)を探索し、K中間子原子核の理解をよりいっそう深めることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、反K中間子と核子2個が束縛した反K中間子原子核KbarNN束縛状態のうち、我々J-PARC E15実験で発見したK-pp束縛状態のアイソスピン・パートナーであるK-pn束縛状態を探索し、反K中間子原子核の構造を明らかにすることを目的とする。K-pn束縛状態のΛn崩壊検出を目指し、プラスチック・シンチレーターとMPPCアレイを用いた汎用性の高い中性子検出器の開発を進めた。50x50x750mmのシンチレーターと25mm角4x4ーMPPCアレイを用いた試作機を製作し、50ps程度の高時間分解能を達成できることを確認した。本研究により次世代実験に用いる中性子検出器としての技術を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
反K中間子が原子核に束縛した反K中間子原子核は、中性子星内部などで実現されているような、高密度でコンパクトな状態である可能性が示唆されている。その反K中間子原子核の内部構造等に関する知見を得るためには、本研究のようなアイソスピンの異なる状態を含めた包括的かつ系統的な調査が重要であり、その崩壊で出てくる中性子の検出が肝となる。本研究では、この目的のために、MPPCアレイと小型プリアンプが一体型となった小型読み出し回路を用いた中性子検出器を開発した。これにより、検出器の形状に自由度が高く使用環境を選ばない、様々な実験において汎用性の高い安価で高時間分解能な中性子検出器を可能とした。
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