研究課題/領域番号 |
20K04011
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
村田 勝寛 東京工業大学, 理学院, 助教 (10735038)
|
研究分担者 |
谷津 陽一 東京工業大学, 理学院, 准教授 (40447545)
篠田 浩一 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (10343097)
井上 中順 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (10733397)
下川辺 隆史 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (40636049)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 光学赤外線天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、既存の望遠鏡に最先端の計算機科学を組み合わせることで高機能化し、膨大なデータの中から特異な変動天体を正確に抽出する「突発天体サーベイロボット」を実現し、全く新しい科学的発見を目指すものである。想定する最大のターゲットは重力波現象であるが、取得された大量の画像の確認は、現在も人間が目視で行っている。我々は、人間を介さない突発天体検知により、増光開始から1時間以内のリアルタイム検知・通報を実現し、新しい発見領域を切り開く。GPUの並列演算能力を最大限活用して、一次処理から突発天体識別AIまでの一連の処理をパイプライン化し、実際の観測に組み込み、重力波対応天体検出・速報発信を目指す。
|
研究実績の概要 |
本年度の成果は大きく分けて以下の二点である。
(a) 広視野望遠鏡の設置 前年度に試験観測をはじめた広視野望遠鏡の自動観測システムの検証を進めるため、さらなる観測をおこなった。重力波望遠鏡の観測が停止しており、最重要ターゲットである重力波の光学対応天体の探査は行えないため、銀河系内の天体の観測を中心におこなった。PSFを最適化するためのフォーカス調整機構にやや問題があるものの、おおむね安定して自動観測を実施することが確認できた。 (b) 突発天体検知システム開発 本年度は、突発天体検知システムのうち、深層学習を用いた突発天体の識別システムの開発を進めた。より現実的な観測状況を考慮し、突発天体の識別をおこなうように変更した。前年度まで開発していた手法では、画像の中心に銀河があり、その周辺で発生した突発天体の識別にしか対応できてい手法であったが、そのような制約を取り除き突発天体全般に対応できるように改良した。これをMITSuME明野50cm望遠鏡で観測されたガンマ線バースト約20天体の実際の観測画像に適用して性能評価をおこなったところ、突発天体の信号雑音比が10以上の場合は誤検知数を1日あたり500回に抑えつつ突発天体を97%識別可能であることが分かった。開発したシステムをMITSuME明野50cm望遠鏡の実運用に導入した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、広視野望遠鏡についておおむね安定した自動観測を実現し、また、突発天体検知システムについても本年度に完成し実運用に導入している。全体としてはおおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度までに実運用化された広視野望遠鏡と突発検知システムを用いて、2023年5月から開始するLigo-Virgo-KAGRAの重力波観測で発見された重力波源の追観測を実施する。また、重力波以外のターゲットについての観測も進める。
|