研究課題/領域番号 |
20K04026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嶺重 慎 京都大学, 理学研究科, 名誉教授 (70229780)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ブラックホール / 偏波 / 電波天文学 / 輻射流体力学 / 一般相対論 / 活動銀河核 / スペクトル形成 / 磁場 / 一般相対性理論 / 偏光 / X線天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
EHT(事象の地平面望遠鏡)による、楕円銀河M87中心にある巨大ブラックホールの影の初撮影画像が世界に配信され、ブラックホール研究は新しい時代を迎えた。われわれはこの好機をとらえ、(1) ブラックホールジェットの駆動機構の解明、(2) ブラックホール降着流における磁気フレアの検出可能性、(3) 高光度降着流ダイナミクスの解明に取り組む。 このため、一般相対論的流体・輻射輸送シミュレーションを実行し、磁場構造を表す偏波画像および動画を描き、近く発表されるEHT偏波観測結果等と照合して、ジェット駆動やフレアに伴う磁場の働きを実証する。
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研究成果の概要 |
ブラックホールからのジェット・アウトフローの駆動機構や噴出流構造の解明、周囲へのインパクトの定量化に取り組み、以下の結果を得た。 一般相対論的シミュレーションデータやモデルを元に相対論的偏光輻射輸送シミュレーション計算を実行し、ブラックホール近傍領域の電波強度マップおよび直線・円偏波画像をパラメータ毎に作成した。観測から磁場を制限する手法を開発し、将来の観測により磁場駆動説の妥当性を検証できる見通しを示した。 超臨界降着流・アウトフローの輻射流体シミュレーションを実行し、輻射光度および運動論的光度が質量降着率の関数として統一的に表されることを見出し、周囲へのインパクトを定量化した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブラックホールジェットの駆動機構は長年の謎である。磁場駆動説が有力だが、その直接的証拠はない。将来のEHT(事象の地平面望遠鏡)偏波観測から磁場駆動説の妥当性を議論するには、どのような直線偏光や円偏光の画像が得られるのか、明らかにすることがとても大事であり、今回の研究により、その糸口がつかめたと思う。また巨大ブラックホールから周囲へのインパクトの定量化も重要な課題であるが、10桁近いスケールの差をうめる必要がある難問である。その議論に一石を投じたのではないかと思う。 ブラックホールという存在は一般によく知られており、注目度も高い。今回の研究成果は一般向け講演会や書物を通じて共有していきたい。
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