研究課題/領域番号 |
20K04063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
仁科 文子 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 助教 (80311885)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 低塩分水 / 大陸棚 / 黒潮 / 物質循環 / 沿岸水輸送 / 低塩分水塊 / 黒潮フロント / 東シナ海 / 黒潮前線 / 移流 / 大陸棚斜面 / 淡水輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
東シナ海北部の亜表層では黒潮前線や暖水渦の周辺で空間スケールが小さい低塩分水塊が時々観測される。この低塩分水塊は大陸棚域の低塩水が黒潮前線渦により亜表層へと沈み込んで移流されたものと考えられる。 本研究では、海洋モデルと観測値から海を再現した「再解析データセット」を用いて、九州南西海域における低塩分水塊の出現数の季節・経年変動、移流経路などの実態を明らかにする。さらに海洋観測を行い、その水塊の規模や栄養塩量を計測する。再解析データセットと海洋観測データを組み合わせ、低塩分水塊の輸送量、栄養塩の輸送量を求め、それらの季節・経年変動とその要因について示す。
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研究成果の概要 |
東シナ海北部の亜表層では黒潮前線や暖水渦の周辺で空間スケールが小さい低塩分水塊が観測されることが時々あった。この低塩分水塊は小規模なため,今までほとんど注目されてこなかった。本研究では,再解析データセットを使用し,低塩分水塊の解析を行なった。さらに,九州南西方の大陸棚斜面域で海洋観測を行なった。その結果,低塩分水塊の出現数には季節変動と経年変動があること,移流経路は黒潮前線に沿う経路と黒潮の北側に発達した暖水舌の外縁に沿う経路の2系統があることがわかった。また観測された低塩分水塊は低気圧性回転の楕円体構造をもっており,低塩分水の輸送量を求めるには慎重な解析が必要であることが推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
九州周辺海域は様々な魚種の産卵・育成場となっており,海域の一次生産を支える栄養塩供給の物理プロセスとして乱流鉛直混合が近年注目されているが,水平的に輸送された低塩分水塊による栄養塩供給も考える必要がある。本研究では,再解析データの解析と観測から低塩分水塊の実態を示し,東シナ海大陸棚から九州南方への低塩分水塊の輸送量の見積を試みたものである。
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