研究課題/領域番号 |
20K04067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
廣田 渚郎 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球システム領域, 主任研究員 (30750616)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 気候感度 / 雲降水 / 気候モデル / 降水 / 対流 / 雲 |
研究開始時の研究の概要 |
二酸化炭素倍増時の気温上昇量で定義される気候感度には1.5~4.5℃の大きな不確実性がある。不確実性の最大の要因は、熱帯の下層雲の応答(フィードバック)が気候モデルごとに異なることである。一方、気候感度の値はモデルの対流の表現方法の設計に大きく依存することが知られている。本課題では、気候モデルの対流設計に着目して、数値実験とその結果解析を行い、対流が雲量を変化させ、雲フィードバックと気候感度に影響する仕組みを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、世界の多数の気候モデル(CMIP3, 5, 6)の実験出力の解析と、日本の気候モデルMIROCの数値実験を行った。地球温暖化の進行に伴い、大気下層(高度~2000m程度)の雲の量は減少し、雲の日傘効果が弱くなることで温暖化が加速すると考えられている。また、大気上層(~10000m程度)の雲は、温暖化に伴って高さが高くなることで、雲の温室効果が強くなり、温暖化が加速する。しかし、多くの気候モデルは下層雲と上層雲の量を過小評価しており、これらの雲の正のフィードバックが不十分であることが示された。これらの成果は、2本の論文として国際学術誌で発表された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気候モデルによる気候変動予測には大きな不確実性がある。例えば、IPCC AR6で参照されている気候モデルによって予測されるCO2倍増時の気温上昇量には1.8-5.6℃の幅がある。本研究課題では、気候変動予測の不確実性の最大の要因である、雲・降水プロセスを調べ、それらが温暖化を加速するメカニズムを示した。更にその理解に基づいて、気候変動における雲の働き(雲フィードバック)の不確実性を低減することに成功した。これらの成果は、気候モデルによるより精緻な気候変動予測に繋がるものである。
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