研究課題/領域番号 |
20K04076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
勝又 勝郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), グループリーダー (80450774)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 降下式ドップラー流速計 / 近慣性海洋内部波 / ヨーヨー観測 / 近慣性波 / 近慣性周期波動 / 降下式音響ドップラー流速計 / LADCP / 内部重力波 / 船舶観測 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋中とくに数分から数日の時間スケールでは密度成層を復元力とする内部波がみられる。内部波は鉛直混合を引き起こし海洋深層循環を制御すると考えられている。内部波は慣性周期と潮汐周期に大きなエネルギーを示す。前者は間欠的で流速でしか観測できないため分布がよく分かっていない。この研究では 1990 年代から蓄積されてきた船舶による水平流速データが整備・公開されるのを機に、このデータから全球規模の慣性周期の内部重力波の分布を調べることを試みる。
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研究成果の概要 |
海洋の混合を支配する要因の一つに洋上の風が挙げられる。風は地球回転と同期した近慣性波として海中を伝播する。近慣性波は温度・塩分より観測が難しい水平流速として観測されるのでデータが不足している。近年普及してきた降下式ドップラー流速計のデータを用いて、この近慣性波が観測できるかどうか検討した。標準的な海洋の流速場を数値シミュレーションしてその中で疑似観測を多数行うことにより、観測の信号ノイズ比を推定した。その結果、好条件であっても観測誤差は 100 % 近く、定量的な観測には用いえないことが分かった。一観測点で数回観測機器を降下させるいわゆるヨーヨー観測を行えば近慣性波が分解できることも分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海洋の鉛直混合はいわゆる大循環の力学に重要なだけではなく、人為起源二酸化炭素の海洋による吸収や海洋の熱吸収にもかかわる物理量である。そのエネルギー源として潮汐と風が挙げられるが、後者は突発的で観測が難しくデータが不足している。近年標準的な海洋観測に組み込まれてきた降下式ドップラー流速計をもちいて風によって生じた近慣性海洋波を観測できるかどうか定量的に検討した。その結果、降下式ドップラー流速計一度の観測では誤差が大きすぎることが分かった。一点で数回観測する方式を用いれば近慣性海洋波を分解できることも分かった。
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