研究課題/領域番号 |
20K04086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 酪農学園大学 (2021-2022) 秋田県立大学 (2020) |
研究代表者 |
千葉 崇 酪農学園大学, 農食環境学群, 講師 (60638980)
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研究分担者 |
井上 誠 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00599095)
西村 裕一 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (20208226)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 津波堆積物 / 珪藻群集 / 日本海沿岸域 / 沿岸林 / 風化過程 / 気象観測 / 飛砂 |
研究開始時の研究の概要 |
年代の特定された津波堆積物は少ないため,過去の災害の記録として歴史学的に重要であるとともに,津波の規模や浸水過程を検討可能な試料として地質学的にも重要である.その一方で,津波堆積物は時間の経過とともに風化して特徴が失われていく可能性があることも指摘されている.本研究では,主に秋田県沿岸域において地質調査を実施することにより,1983年日本海中部地震津波によりもたらされた津波堆積物の分布及び構成物の特徴を明らかにしたうえで,雨量計及び風速計を設置して現地大気観測を行い,さらに過去37年分の風速及び降水量データを参照して,構成物の堆積後の風化の過程や程度,保存されるための気象条件等を明らかにする.
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研究成果の概要 |
東北日本海沿岸域には飛砂の防備などを目的として植林された沿岸林(飛砂防備保安林)が形成されている.この沿岸林内の土壌中に残された津波堆積物の特徴とその風化過程を解明するために,地質調査に加えて,気象データなどを利用した検討を行った.調査と分析の結果,秋田県の八峰町~能代市沿岸域には1983年日本海中部地震に伴う津波堆積物と1991年台風19号に伴う飛砂堆積物が発見された.また,三種町~男鹿市にかけては台風19号の飛砂と思われる堆積物が観察された.これらは沿岸林の形成されていない砂丘上では確認できないことから,沿岸林内土壌が,イベント堆積物にとって保存ポテンシャルが高い環境であると考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,標高の高い砂丘が発達することにより相対的に津波の痕跡が残りにくい日本海側において,初めて津波堆積物の認定を行ったことにまず意義がある.また,砂丘が発達する地域においても沿岸林内に土壌が形成されていれば,津波の痕跡が保存される可能性も高まることが明らかになった.そして,津波堆積物と台風に伴い堆積した飛砂堆積物の特徴及びそれらの違いを明らかにし,それぞれの認定において重要な点を指摘することができた.さらに,調査地域における飛砂の採取や機器観測などを行うことにより,沿岸林内では通常時に飛砂がほとんど運搬されず,何らかのイベントに伴って堆積する可能性が高いことが示唆された.
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