研究課題/領域番号 |
20K04107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
野坂 俊夫 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (80252948)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 変質作用 / 海洋リソスフェア / 下部地殻 / 上部マントル / オフィオライト / 斑れい岩 / かんらん岩 / 蛇紋岩 / 変質差用 / 岩石 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋地殻は地球における岩石圏と水圏の間の最大の境界層である。そこでの岩石と水との反応(岩石の変質作用)は,地球システム全体における物質とエネルギーの循環に大きな役割を果たし,人類を取り巻く環境と地球の過去・現在・未来の姿に大きな影響を及ぼす。海洋下部地殻岩に関する最近の研究は,変質鉱物の種類や量が地域間で異なることを明らかにした。しかし同一地域でも変質作用には著しい不均質性と多段階性があるため,多様性をもたらした要因の解明には至っていない。そこで本研究では,岩石組織と鉱物の組成・共生関係を詳細に解析することによってこの問題を克服し,海洋地殻深部における変質作用の多様性の要因を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,様々な地域から採取した岩石に記録された変質作用の相違点と共通点を明らかにし,海洋地殻深部における変質作用を支配する物理化学的および地質学的要因を明らかにすることである。主な研究対象は,様々な拡大速度を持つ中央海嶺近傍や陸上に露出するオフィオライトから採取された斑れい岩である。また斑れい岩に伴って産する上部マントル起源のかんらん岩についても分析を行い,これと比較することで下部地殻の変質作用の特徴を明らかにし,海洋リソスフェアにおける岩石-水相互作用の全体像の理解を目指して研究を行ってきた。 このうち昨年度は,Hess Deepの斑れい岩類の試料切断の際に生じたカッテイングスを材料にして掘削試料の化学分析の新技法を開発し,国際誌上で発表した。またオマーンオフィオライトの斑れい岩類について,蛇紋石と緑簾石の分布と組成変化の分析に基づいてそれらの生成条件に不一致があることを明らかにし,結果を国際誌に投稿した。 また一昨年度に明らかにした変成蛇紋岩中に産する滑石の組成多様性について,昨年度はさらに分析試料を増やしてその普遍性を検討した。その結果,後退変成作用で生じた滑石がかんらん石と共存していることを新たに明らかにした。このことは滑石の生成温度条件が500℃前後であったことを示唆する。 さらに海洋下部地殻の岩石試料からは,かんらん石中に輝石と鉄鉱石のラメラが多産することが見つかった。このラメラの産状とかんらん石の化学組成を分析した結果,ラメラは火成活動後の冷却過程においておよそ800℃の温度で,変形作用に伴って生じた可能性が高いことを明らかにした。 このように明らかにした滑石の生成条件とラメラの生成条件をより明確にするため,透過電子顕微鏡とICP質量分析計による分析を行い,発表準備を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症の拡大によって野外調査と試料採取が十分にできない期間があり,当初計画していた分析作業が昨年度後期にずれ込んだ。分析作業のかなりの部分は遂行できたが,まだデータ不足を補うための追加実験が必要であり,結果公表の準備も必要であるため事業期間を1年延長した。
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今後の研究の推進方策 |
変成蛇紋岩中の滑石と斑れい岩中のかんらん石離溶組織について,今年度中に追加実験とデータのまとめを行い,結果を学会で報告し,論文にまとめる予定である。
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