研究課題/領域番号 |
20K04142
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
深尾 良夫 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震発生帯研究センター), 特任上席研究員 (10022708)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 伊豆小笠原 / 海溝 / 海底水圧計 / 音響波 / 海底観測 / 非地震性滑り / プレート間滑り / 海溝地震 / 水圧計 / 津波 / 音波 / 津波地震 / スロースリップ / 海底水圧観測 / 海底圧力観測 / 海底地震観測 / プレート境界地震 / スロー地震 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは、鳥島はるか東方沖において1年間の海底水圧計アレー観測を実施し、継続時間5000秒程度の非地震性(地震波を出さない)滑りをこれまでに3件検出している。この発見は、滑り速度・滑り伝播速度の比較的速い非地震性滑りが決して稀ではなく、小笠原海溝のような歴史的に巨大地震の発生が知られていない沈み込み帯で重要な役割を果たしている可能性を示唆する。本計画では、こうした可能性を検証する第一歩として、継続時間が1万秒以下の非地震性滑りを小笠原海溝、南海トラフ、日本海溝において網羅的・系統的に探索する。
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研究成果の概要 |
海底水圧計に基づくスロースリップ検出の最大の困難は、測器のドリフト及び気圧変化や海洋潮汐の影響の除去である。これら雑音から信号を抽出する独自の手法を開発し、伊豆小笠原海溝におけるスロースリップの始まり最盛期そして終局に到るまでの詳細を得つつある。台風中心が海底水圧計アレーを通過する際に大気の気圧最低が海底の水圧最低に数日先行する事実を発見し、そのメカニズムを海洋物理学的に明らかにした。2022年トンガ噴火の際に励起された大気Lamb波の海底水圧記録を解析し、周期300秒付近でそれが熱圏重力波と共鳴増幅している事実を発見し、Lamb波の励起源として60-70km高度での空中爆発説を提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海底は海洋と固体地球の境目であり、海洋あるいは固体のどちらかに閉じていては理解できない現象が発生している場所である。また、どちらか一方の目的で設置した測器でも記録は両方の側で役立てられる。しかし、それは固体地球側にとっては従来気が付かなかった海洋現象がノイズとして入り込むということでもある。本研究の意義は第1に、海底から固体地球を診るにしても逆の場合でも必要なノイズ除去について独自の手法を提案する所にある。第2に、上記視点から海底水圧計記録を解析し、伊豆小笠原海溝のプレート滑り詳細をあきらかにしつつあること、及びトンガ噴火に伴う大気擾乱や台風に伴う海洋擾乱について新たな知見を得た所にある。
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