研究課題/領域番号 |
20K04146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
神谷 隆宏 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (80194976)
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研究分担者 |
小沢 広和 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20632045)
Smith Robin 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 専門学芸員 (70416204)
蛭田 眞平 独立行政法人国立科学博物館, 分子生物多様性研究資料センター, 特定非常勤研究員 (80624642)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 貝形虫 / 節足動物 / 精子形態 / 生殖的隔離 / 種分化 / 生物多様性 / Cythere上科 / Cypris上科 / 種多様性 / 精子 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
貝形虫は種多様性が高い分類群ほど精子外形も多様であること、極近縁な種間の生殖的隔離が精子外形の違いによりもたらされることを示し、節足動物の精子が種の多様性に係る役割について新知見をもたらす。多様化の歴史や生息環境・生活様式、現在の多様性の程度が全く異なる貝形虫4上科を調べ、精子の構造と外形、精子形態の種間変異の程度、受精様式を観察する。これらに基づき、「精子形態の多様化が種の多様化を引き起こした」「精子外形の相違が受精時に機械的に作用し、極近縁種間の生殖的隔離の一因となった」という2つの仮説を確かめ、従来の精子学に欠けていた進化生物学的視点に基づく精子学の創立をめざす。
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研究成果の概要 |
本研究では、現在繁栄する貝形虫の2上科(Cythere上科、Cypris上科)の種多様性と精子形態の多様性の関係を調べることを通して、精子形態が種の生殖的隔離を引き起こし、やがて多様性の増大をもたらせたという作業仮説の検証を試みた。そのため、日本周辺の極近縁種の精子を含む形態解析とDNAの解析を、Loxoconcha uranouchiensisグループの3種とXestoleberis setouchiensisグループの6種で行った。結果はいずれも直接的な祖先・子孫関係にあると思われる種間で精子形態やサイズにジャンプがみられ、仮説の検証されることとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精子の形態やサイズを極近縁種間で体系的に調べた研究は少なく、本研究は新たなデータを提供することとなった。また、本研究は節足動物の大きな多様性の原因の1つが、精子が形態・サイズをたやすく変えうることから生殖的隔離を引き起こし、種分化をもたらした可能性を強く示唆した。これらは今後「進化精子学」として発展する可能性を示す。
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