研究課題/領域番号 |
20K04222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
川原 浩一 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主任研究員 (00302175)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セリア系砥粒 / CMP / スラリー循環式研磨 / 寿命 / ガラス精密研磨 / 砥粒スラリー寿命 / スラリー寿命 / 噴霧熱分解法 / 化学機械研磨 / ガラス / 砥粒 |
研究開始時の研究の概要 |
精密研磨技術は幅広い産業において、製品の高品質化のために必要不可欠な基盤技術である。本研究は、特に最終仕上げの工程で行われる遊離砥粒方式による化学機械研磨(CMP)に注目するものである。本研究では、幅広い産業の基盤技術として重要な精密研磨、特に最終仕上げとして行われる砥粒スラリー循環式CMPの際の砥粒スラリー寿命に関するものである。本研究では、特に、砥粒がワークとの間に適度な化学作用性と機械作用性を併せ持つことで知られているガラス精密研磨用セリア系砥粒スラリーに注目し、砥粒スラリーの劣化挙動を系統的に調べ、劣化メカニズムついて検討することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、種々の組成のセリア系砥粒を合成し、砥粒スラリー劣化挙動を評価することでセリア系砥粒スラリー劣化挙動に影響を与える因子の抽出を行った。その結果、La添加セリア砥粒だけでなく、Y添加セリア砥粒を用いた場合でも、研磨速度の低下が緩やかな領域Iと研磨速度の低下が急激な領域IIが認められ、劣化挙動は添加された3価のカチオン種には依存しないことが分かった。研磨圧力等を変化させた検討から、砥粒スラリーの劣化挙動に最も影響を与える因子は、スラリー分散媒の体積と、研磨中に混入したガラス成分の量であり、ガラス成分の混入によって、スラリー中の砥粒の急激な凝集によって劣化が生じると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、市販セリア系砥粒を模擬した球状砥粒を合成し、砥粒スラリー劣化挙動に影響を与える因子を抽出することを目的に行われた。本研究では、セリア系砥粒スラリーを用いた研磨では、劣化挙動はセリアに添加した3価のカチオン種や、研磨圧力などの研磨条件にはほとんど依存せず、砥粒スラリーの溶媒の体積とスラリー中に混入したガラス量に依存すること、劣化原因がスラリー中の砥粒の凝集であることが明らかとなった。スラリー循環式研磨における砥粒スラリーの寿命は、ガラス精密研磨の現場ではコストに直結する重要な因子でもあることから、本研究で得られた結果は、砥粒スラリーの寿命延長や再生の分野に対して指針を示すものである。
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