研究課題/領域番号 |
20K04299
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
千坂 光陽 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (20513310)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 固体高分子形燃料電池 / 酸素還元反応 / カソード / 窒化チタン / 酸化チタン / 酸窒化物 / 仕事関数 / 酸素還元 / 非白金 / ルチル / 異元素置換 / チタニア |
研究開始時の研究の概要 |
固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell, PEFC)正極における白金-コバルト担持炭素触媒の希少性・低耐久性を同時に解決するため、炭素担体を利用せずに酸化チタン系非貴金属触媒を高性能化する。 複数種の異元素をチタンサイトならびに酸素サイトへ置換導入し、その組成・化学状態を精密に制御することにより、0.9 Vで44mA/cm2の電流密度を得る。
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研究成果の概要 |
酸化物系触媒は、固体高分子形燃料電池正極の強酸雰囲気かつ高電位作動に耐える次世代材料として注目されてきたが、現在用いられている白金コバルト系触媒に比べ酸素還元性能が低かった。本研究では資源量豊富かつ高導電率の酸化チタン系触媒に着目し、各種異元素置換による高性能化・高耐久化に取り組んだ。 リンと窒素を置換導入した触媒におけるリンの置換導入量を開始材料により制御し、特に表面におけるリンの置換導入量を増大させることで初期性能のみならず、起動・停止試験に対する耐久性能も向上した。また異種金属を置換導入することで仕事関数を制御し、その反応機構を四電子反応に近づけて耐久性を向上させられることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固体高分子形燃料電池は既に実用化されたものの、その正極に用いられている白金コバルト触媒の希少性と炭素担体の低い耐久性が普及拡大への障壁となっている。白金と炭素担体をいずれも用いない酸化チタン系触媒は上記障壁を乗り越える可能性があるが、性能が不十分だった。 その表面におけるリンの置換導入量を開始材料により制御することにより、高性能化することを示した点が本研究の第一の学術的意義である。さらに異種金属を置換導入することで仕事関数を制御し、反応機構を四電子反応に近づけて耐久性を向上させられることを解明した点が第二の意義である。安価で簡易な手法で本格普及への課題解決の可能性を示した点が社会的意義である。
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