研究課題/領域番号 |
20K04315
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
河南 治 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (20382260)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 沸騰 / 限界熱流束 / 非共溶性混合媒体 / 非共溶性 / 混合媒体 / 伝熱 / 流動沸騰 / プール沸騰 / 沸騰熱伝達 / 強制対流沸騰 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な冷却対象・冷却条件に対応できる媒体として、高密度低沸点媒体と低密度高沸点媒体を適切な混合割合で組み合わせた非共溶性混合媒体による沸騰冷却が新たに提案され始めている。これは、限界熱流束の飛躍的増大のみならず、沸騰開始時の伝熱面温度のヒステリシスの回避、大気圧作動下での冷却面温度の低減などを液体混合のみで実現できうる画期的な方法で、従来の冷却システムの熱媒体に対する概念を大きく変えるものである。本研究では、これまで全く報告例のない、非共溶性混合媒体を用いた強制対流沸騰系において、限界熱流束を増大させるための非加熱副流路構造を提案し、その効果を検証する。
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研究成果の概要 |
高密度低沸点媒体(FC-72)と低密度高沸点媒体(水)の非共溶性混合媒体を用いた流動沸騰実験を実施した。加熱試験部は、流路高さ1 mm、流路幅73 mm(幅30 mmの加熱部+幅23 mmの非加熱領域)の矩形流路である。水とFC-72の流量比を変化させ、合計流量は0.5 L/minで一定とした。水:FC-72=4:1のときに、加熱部全体に渡って水単成分よりも高い熱伝達率を示した。一方、CHFは水の流量比が大きくなるに従って大きくなり、水単成分の場合がもっとも高くなった。FC-72は試験部下流においても非加熱部分に残っていることが確認できたが、CHF増大には寄与しなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、非共溶性混合媒体を用いた沸騰伝熱の基礎的知見が多く得られた。これらは、既往の熱交換器や電子機器の冷却システムに対して、極めて効率良い、新たな冷却方法として重要な知見となるため、例えばデータセンターの省エネ化に貢献できるなど社会的意義が大きいものである。また、非共溶性混合媒体による流動沸騰実験による限界熱流束データや熱伝達データは、これまでにほとんど例がなく、学術的に大きな価値があるものである。
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