研究課題/領域番号 |
20K04387
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
大原 賢一 名城大学, 理工学部, 教授 (50517886)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マルチコプタ / 可変機構 / インフラ点検 / 飛行制御 / ロボティクス / 制御 |
研究開始時の研究の概要 |
橋梁などのインフラ点検において,マルチコプタなどの利用は有効であるが,この導入のためには、より安定した検査の実現に向けた改善が必要になっている.多くのドローンは水平飛行時に機体を傾ける必要があり、補助具なしで検査対象面を一定の距離で観察することや,狭隘部での近接撮影も困難である.従来研究では,こうした箇所の点検を対象としたシステムも開発されているが,マルチコプタが大型化する傾向があり,現場への導入は容易ではない.そこで,本研究では,インフラ点検の自動化に資することを目指し,安定した近接撮影と狭隘部の近接撮影を目指した可変機構を有するマルチコプタの開発を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,インフラ点検の自動化・効率化を目指し,多面的な点検に対応可能にするための可変機構を有するマルチコプタの設計・開発を行い,飛行実験を通じた可変機構の有効性を評価した.昨年度まで開発したマルチコプタは変形後に飛行状態が不安定になり,現状の構造では課題の解消が困難であったことから改良したマルチコプタの新規設計を行うべく,シミュレータの開発と改良版実機の開発を行った.まず,安定飛行を行うための制御系の設計を目的としたシミュレータは Matlab/Simulink において構築し,一般的なヘキサコプタのモデルに対して対角アーム2本にチルト機構を模したモデルを組み込むことで,外乱(風)が発生した際に逆らう方向に水力を発生させ機体を傾けることなく機体位置の維持が可能になることを検証した.実機については可変機構のコンセプトとして,リニアアクチュエータを用いた伸縮機構とモータ及び歯車によるチルト機構を採用した.これらの機構による2自由度の変形アームを開発し搭載することで,点検時の姿勢を安定させた状態での飛行が可能にした.また機体設計においては追加の機構に伴う飛行性能への影響を極力抑えるように軽量化を意識した設計を行った.非飛行状態での設計した変形機構の動作検証を行うとともに,屋外における飛行検証も行い,非変形状態での安定飛行ができることを検証した.以上の結果から,飛行時の変形機構の有効性の検証は十分ではないものの,シミュレータにおいて変形機構があることで目視点検に適した安定飛行を実現することを確認できたとともに,実機における基礎検証を完了することができた.本研究を通じて,マルチコプタのペイロードを踏まえた可変機構を有する場合の機体設計や,制御方法に関する基盤技術を得ることでき,インフラ点検活用に資する知見を得ることができた.
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