研究課題/領域番号 |
20K04463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 公立千歳科学技術大学 (2021) 神戸大学 (2020) |
研究代表者 |
高野 泰洋 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 准教授 (70782746)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Physical layer security / Secure transmission / mMTC / IoT / Compressive sensing / Internet of Things / Key exchange / Compressed sensing / Distributed networks |
研究開始時の研究の概要 |
産業用途を想定したmMTCシステムにおいて,無線伝送の強固なセキュリティの維持は必須である.しかし,多数ノードで構成されるmMTCネットワーク上で安全に鍵を配布することは多大なコストを要する.そこで,本研究は,従来の上位層における暗号化と物理層のセキュア伝送を併用し,要求度に応じた適応的な安全性をもつ鍵配布を実現する分散無線通信方式を検討する.また,従来の計算量的安全性と情報理論的安全性を統合的に扱う安全性指標を調査検討し,当該指標を規範とする新たな安全性強化法の提案を目指す.
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研究実績の概要 |
取り組み課題B)「分散ネットワークでの安全な鍵共有法」の検討課題の一つとして,傍聴者のチャネルパラメータの推定が困難な Passive Eavesdroppersを想定したセキュア伝送法の検討を進めている.これは,分散ネットワークの構成上,送信元が想定できない傍聴者が存在する可能性を排除できないためである.国際会議IEEE Globecom 2020で提案した適応的セキュア伝送法を拡張したアルゴリズムを検討しているが,演算量の問題から去年度内の評価を完了できていない.この問題に対する対策として,計算機アクセラレータの増強による研究進捗の改善を予定していたが,機器調達が困難な状況が続いており,アルゴリズムの検証計画も遅延している.別途,IoT機器への応用を想定し,アルゴリズム自体の軽量化を目指したアプローチも検討を進めた.当該成果を国際会議へ投稿し,現在,査読審査中である.今後は,ソフトウエア無線を導入し,実際の無線伝送チャネルのパラメータ観測結果と伝搬路シミュレーション結果を併用することで, ネットワークシミュレーションの評価工数の効率化を図り,引き続き取り組み課題B)「分散ネットワークでの安全な鍵共有法」を検討していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
取り組み課題B)が遅延している理由の一つは,上記のとおり,世界的な半導体不足により,機器調達が困難な状況が続いており,計算機,アクセラレータ,およびソフトウェア無線等の機器が計画通り導入できなかったことである.また,R3年度に研究者自身の所属機関異動があった.異動先でのコロナ禍に伴う教育業務等のエフォートが一時的に増加せざるを得なかったことも要因の一つとして挙げられる.今後は,アルゴリズムの軽量化に取り組むとともに,想定するネットワーク規模を縮小するなど確実に検証が進められるよう研究計画を再検討する.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度から検討してきたPassive Eavesdropper問題に対し,現実的なネットワーク規模を想定し解決策を提案する.また,取り組み課題B)に関し,計算機シミュレーションとソフトウェア無線等を併用し,実サンプルデータを解析して得られた伝搬路特徴量を利用し,従来の暗号化技法の安全性を高めた鍵配布方法の検討を進める.更に,取り組み課題C)に関し,計算量的安全性を持つと想定される当該アプローチに対し,Generative Adversarial Networks (GAN)等の機械学習を応用した攻撃法を検討し,提案法の安全性を評価していく.
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