研究課題/領域番号 |
20K04530
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
鈴木 雅康 宇都宮大学, 工学部, 准教授 (10456692)
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研究分担者 |
平田 光男 宇都宮大学, 工学部, 教授 (50282447)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 多自由度パルス変調 / 厳密線形化 / 三相インバータ / サンプル点間応答 / 周波数整形PWM型終端状態制御 / パルス変調制御 / モーションコントロール |
研究開始時の研究の概要 |
パワーエレクトロニクスをはじめとするさまざまな分野でパルス変調方式を用いた制御系が構築され,省エネルギーの実現などその有意性は広く認められている.ところが,この方式が有する非線形特性が原因で,高速高精度のモーションコントロールには敬遠される現状がある.この問題に対し,申請者らがこれまでに開発してきた,制御周期内におけるパルス矩形波の幅・数・配置を同時に操作する新しい方式を発展させて,制御性能をさらに高める理論を確立するとともに,実システムへの適用を通してその有効性を検証することを試みる.
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研究実績の概要 |
パワーエレクトロニクスをはじめパルス変調方式を用いた制御系の有意性は広く認められているが,この方式が有する非線形特性は扱いが難しく,高速高精度のモーションコントロールには依然として課題が存在する.報告者らは,制御周期内におけるパルス矩形波の幅だけでなく,その数や配置を操作する新しい方式を提案して,問題の緩和を図ってきた.本研究では,制御周期に比べて速いダイナミクスの影響を考慮に入れることで制御性能をさらに高める方法の開発や,三相交流モータへの適用を目指した手法の拡張に取り組んでいる.前年度までに,パルス駆動系のフィードフォワード入力設計における周波数整形型終端状態制御の応用と,三相交流モータの高速・精密制御を目的とした三相インバータの厳密線形化に取り組み,新たな制御系設計手法を提案し,数値実験等によって有効性を示した. 今年度は,前年度までの提案手法の体系化を進めるとともに,制御区間におけるパルス波形生成の自由度を増やし,状態の脈動を抑制するための手法開発に取り組んだ.パルス波形生成自由度が制御対象の次数より大きいとき厳密線形化を達成する変調則の候補が増えるが,その中から時間的に対称な波形を生成するものを採用することで,脈動が抑えられることを確認した.上記成果の一部(特に体系化に関する成果)は,電気学会精密サーボシステムによる高付加価値化に関する調査委員会「精密サーボシステムによる高付加価値化に関する技術報告書」(2023) に掲載されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では,主に以下の4つの研究小内容に取り組んでいる:(i) サンプル点間応答の評価と多自由度パルス変調を用いた制御の検討,(ii) 高周波数モードの影響を考慮した終端状態制御の検討,(iii) 三相交流モータ制御系の厳密線形化法の提案,(iv) 実システムへの適用による有効性の検証.2020年度は(ii)と(iv),2021年度は(iii)について推し進め,2022年度は(i)に取り組んだ.なお,2022年度は研究実施者数が当初計画より不足し,(i)に関する手法の確立には至らなかった.したがって,やや遅れている,と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度以降は,複数パルスを用いて変調方式の自由度を増やすことがサンプル点間応答を改善させる手法の確立を目指すとともに,それを含む形で体系化を進め,多自由度パルス変調制御の理論構築に取り組む.そして,得られた成果について,学会発表や論文投稿を行う.
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