研究課題/領域番号 |
20K04612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
坂本 敬太 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (60867985)
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研究分担者 |
竹内 浩造 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (00870255)
新藤 浩之 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主幹研究開発員 (90870254)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | シングルイベント効果 / BOX層 / SOI基板 / シングルイベント耐性 / ナノプローブ測定 / Silicon on Insulator / Single Event Effect / Buried Oxide / SRAM / Radiation Effect / BOX層構造 / パルスレーザ |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙空間に存在する放射線により生じる一過性の誤動作(シングルイベント現象)の発生頻度を低減するため、BOX層を有するSOI基板を用いたLSIは魅力的である。しかし、微細化によるBOX層の薄膜化に伴ってBOX層が意図せず破壊あるいは除去されることでシングルイベント耐性が劣化し、SOI基板においても誤動作が高頻度で発生する懸念がある。 本研究では、BOX層の構造による電子・正孔対の収集メカニズムを解明することを目的とする。これにより電気的測定(電流-電圧測定)によってシングルイベント耐性を予測するスクリーニング手法の構築と、BOX層構造に依存しないシングルイベント耐性強化設計技術の構築に貢献する。
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研究成果の概要 |
BOX層構造に異常があることに起因したSOI-SRAMチップのシングルイベント耐性劣化の要因を、ナノプローブ測定による電流・電圧特性と半導体デバイスシミュレーションにより明らかにした。ナノプローブ測定の結果、シングルイベント耐性が劣化したサンプルは整流作用があるダイオードが寄生的に作りこまれていた。この寄生ダイオードを介して放射線によってデバイス内部に生成された電子・正孔対の収集量が増加するため、結果としてドレイン電流が大きくなる傾向があることを半導体デバイスシミュレーションで示した。 これらの結果から、BOX層構造の異常に起因する電気的特性および放射線影響への影響を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
BOI層を有するSOI基板は放射線に対する構造的な利点があることから宇宙用部品の材料として採用され、宇宙用の耐放射線設計と併用して利用されてきたが、BOX層の出来栄えによって放射線耐性が悪化する事象があった。本研究の結果、劣化の要因を明らかにすることが出来た。加えて、放射線試験を実施せずに、単純な電気的特性を取得するだけでその劣化要因の有無を識別することが出来ることを示した。
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