研究課題/領域番号 |
20K04631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
山田 省二 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00262593)
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研究分担者 |
赤堀 誠志 北陸先端科学技術大学院大学, ナノマテリアルテクノロジーセンター, 准教授 (50345667)
土家 琢磨 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (40262597)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | InGaAs / GaN / 2次元電子ガス / 2次元ホールガス / スピン軌道相互作用 / ラシュバ分裂 / スピンFET / スピン論理デバイス / 2層2次元電子ガス / スピン論理素子 / スピンFET(SFET)素子 / スピンバルブ素子(SV)素子 / 極低温測定 / 2次元電子ガス2層系 / スピンバルブ特性 / スピン起動相互作用 / スピンデバイス / InGaAs量子井戸 / 多値論理素子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、強いスピン軌道相互作用SOIを有するInGaAs量子井戸2層電子を利用した新タイプのスピン多値論理素子開発をめざしそれに向けた基礎研究を行う。これまでの研究により、構造と電子濃度等を適切に設計・作製したInGaAs 2層電子系では、ゲート電圧(Vg,top = Vg1 + Vg2)によりメイン伝導層の選択(Vg1)と各層SOIの制御(Vg2)を同時かつ独立に行えるという新物性が明らかになっている。本研究では、1)これら新物性の定量的動的側面をさらに解析し、2)その物性を動作原理とする多値論理デバイスを設計・試作する。このデバイスは従来技術で作製可能故に実用化の見通しが極めて大きい。
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研究成果の概要 |
InGaAs 2次元電子ガス2層系デバイスでは、スピン論理素子デバイスの開発を目指し、スピン流を露わに観測してその厳密なチェックが可能な新しい素子構造の提案と試作を進め、デバイス特性の解析を行った。その結果、スピンバルブ型スピンFETにおいて、スピン流のゲート電圧依存性に振動現象を確認できた。これは、スピン歳差運動がゲート制御されていることの証拠であり、スピンFETで期待される典型的な振舞である。 GaN 2次元電子・ホールガス2層系では、低磁場、高磁場における精密磁気抵抗測定から、従来殆ど報告の無かった2次元ホールガスの低磁場スピン分裂=スピン軌道相互作用を始めて解明することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
InGaAs系材料を用いたスピンFETについては、2009年頃動作確認の最初の論文が出されたが、その後追試の報告は無い一方で、時々なされる他の材料系でのスピンFETの提案も実用化を考えると現実的でない。本研究はデバイスプロセスの改良と新デバイス構造で、InGaAs系でのデバイス実用化にスピン流を直接観測する厳密なデバイス構造で挑み、スピン論理素子実現の直前段階と言えるレベルに到達した。 GaN 2次元電子・ホールガス2層系では、やはり厳密な磁気抵抗測定から、2次元ホールガスのスピン軌道相互作用の解明に初めて成功した。これはGaN 2次元ホールガススピンデバイス開発の扉を開くものである。
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