研究課題/領域番号 |
20K04669
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
内田 大介 法政大学, デザイン工学部, 教授 (30650535)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 疲労 / 鋼床版 / デッキプレート進展き裂 / 疲労強度 / デッキプレート貫通き裂 / 大型車交通量 / デッキ進展き裂 / 疲労設計 |
研究開始時の研究の概要 |
鋼道路橋の鋼床版ではデッキプレート(以下,デッキ)と閉断面縦リブ溶接部の溶接ルート部から発生し,デッキへ進展する疲労き裂が報告されている.このき裂に対しては,12mmであったデッキの最小板厚を一律16mmとする増厚が基準化されたが,交通量によっては,設計供用期間中に疲労き裂が問題とならない可能性が高い.本研究では当該き裂について,既設橋梁の維持管理計画に必要となる余寿命評価法の確立と,新設橋梁の大型車交通量を考慮した合理的なデッキ厚の提案方法の確立を目的としている.そのために,疲労強度評価点を検証するためのFE解析と疲労強度を確認するための疲労試験を実施し,疲労耐久性評価法について検討する
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研究成果の概要 |
道路橋の鋼床版の疲労設計は仕様設計であるが,疲労耐久性評価を行うことにより合理的な設計や維持管理が可能となる.本研究ではデッキプレートと縦リブ溶接部から発生するデッキ進展き裂を対象とし,縦リブと横リブ交差部を抽出した試験体の疲労試験を実施した.そして,デッキ進展き裂が溶接ルート部からデッキ厚の80%程度まで進展して停留した後に,デッキ表面からのき裂で板を貫通することに着目し,既往の疲労試験結果を含めてき裂停留を寿命とした疲労強度曲線の構築を試みた.また,疲労耐久性評価に使用する際にき裂の発生起点となる溶接ルート部の応力範囲を参照するひずみについて,影響面や疲労損傷度の比較により検討した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
閉断面リブを用いた鋼床版橋梁のデッキプレート厚はデッキと縦リブ溶接部から発生するデッキ進展き裂を抑制するために最小板厚が16mmと規定されているが,橋梁の位置する路線の大型車交通量に応じたデッキ厚の決定は合理化につながる.本研究では疲労試験データを蓄積と既往の疲労試験データを再整理により溶接ルート部から発生したき裂が停留するまでの寿命で疲労強度曲線を構築できる可能性を示した.さらに,当該箇所にスカラップを設けない現行構造に対し,き裂の発生起点となる溶接ルート部の応力範囲を参照するひずみを提案した.この研究成果は当該箇所の疲労耐久性評価に必須であり,その実現に大きく近づいたと考えられる.
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