研究課題/領域番号 |
20K04677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
高橋 一比古 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (30425748)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 疲労き裂 / き裂進展 / くさび効果 / 腐食生成物 / 高含水ジェル / き裂進展抑制シート / 含水成分 / 流電陰極層 / 鋼構造物 / 補修 / 含水ジェル / 湿潤環境 / き裂進展抑制 / 湿潤腐食環境 |
研究開始時の研究の概要 |
疲労き裂の内部に腐食生成物(錆)が生じると、所謂くさび効果によってき裂進展が大幅に抑制される場合がある。腐食環境下のき裂進展挙動は、くさび効果による抑制作用と、腐食溶解等による加速作用のせめぎ合いとなるため、前者が卓越するような適度な湿潤環境をき裂内に作り出せば、き裂進展を抑制することができる。本研究では、局所的湿潤環境を実現する手段として含水ジェルを用い、鋼製試験片に適用して疲労試験を行い、き裂進展抑制技術としての有効性を検証する。腐食生成物の発生には、水分と共に酸素の供給が必須となるため、通気手段の最適化も図る。また、腐食反応の促進因子となる塩分添加や電圧印加の効果等についても検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、高含水率の含水ジェルを用いたき裂進展抑制シートを試作して鋼製の平板試験片に適用し、疲労試験による性能評価を行った。腐食生成物のくさび効果によりき裂進展を抑制する上で有効な局所的湿潤腐食環境とはどのようなものかを見定めるため、腐食反応を促進する因子としての含水成分や流電陰極層の効果についても比較検討を行った。 結果として、進展抑制シートの効果によってき裂進展速度が2オーダー近く抑制され、破断寿命が9.6倍にまで延伸される場合のあることが判明した。また、実用化に向けての課題と対策についても検討を加え、成果をまとめた論文投稿や基本技術の特許出願を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
構造物に生じる損傷のうち、金属疲労に起因するものの割合は依然として高く、発生した疲労き裂が進展し続けて重大な事故に至ることのないよう、適切な対策(補修)を施す必要がある。これまでにも、き裂内に腐食生成物が生じると、所謂くさび効果によりき裂進展速度が著しく抑制される場合のあることが報告されていたが、現場における局所的な腐食湿潤環境の実現や制御が難しいことから、実際の補修法として積極的に利用しようとする例は見当たらなかった。本研究の成果はそのような課題に応えるものであり、従来、構造物において負の因子と捉えられてきた腐食現象を、き裂進展抑制のためのプラス因子として利用したところに特徴がある。
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