研究課題/領域番号 |
20K04710
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
遠藤 徹 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00527773)
|
研究分担者 |
中下 慎也 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (90613034)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 大阪湾 / 堆積物 / 炭素貯留 / 残存性有機炭素 / 生分解性有機炭素 / 無機炭素 / 炭素形態の分画手法 / 海岸堆積層 / 難分解有機物 / 海岸堆積物 / 易分解性有機炭素 / 形態別炭素の分画手法 / 燃焼分解 / 大阪湾沿岸部 / カーボンストック |
研究開始時の研究の概要 |
温室効果ガスの削減策として、沿岸域における炭素貯留効果の解明と定量化が望まれている。本研究は、国内の沿岸部に広く分布する干潟や砂浜などの浅海域と港湾海域における炭素貯留効果を明らかにするため、モデルケースとして様々な海岸形状を有する大阪湾を対象に、①堆積物中の炭素成分のうち難分解有機物と貝殻などの無機炭素を分画する分析手法を確立した後、②大阪湾の環境特性の異なる海岸(砂浜、干潟、磯浜、港湾海域)の堆積層に貯留される炭素形態の分布特性を把握する。さらに、③海岸毎の底質性状と炭素貯留効果を類型化することで、最終的には大阪湾の海岸線における炭素貯留量を推定する。
|
研究成果の概要 |
温室効果ガスの削減策としてブルーカーボンが注目されており、沿岸域における炭素貯留効果の解明と定量化が望まれている。本研究は、大阪湾を対象に形態別炭素の堆積状況を明らかにすることを目的とした。まず、生分解試験に代わる形態別炭素の簡易分析手法として、炭素化合物の燃焼温度が組成によって異なることに着目し、生分解有機炭素の燃焼温度を特定することで堆積物中の有機物を生分解性と残存性の有機炭素に分画できる手法を構築した。その後、大阪湾の海域と海岸で採取した堆積物中の形態別の炭素量を測定し、大阪湾全域における残存性有機炭素の貯留量を明らかにするとともに、海岸形状ごとに形態別炭素の堆積状況を整理した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブルーカーボン生態系として、マングローブ林や海草・藻場、塩性湿地など植生を含む沿岸生態系の重要性が世界的に認知されている。本研究では干潟や砂浜、港湾海域などの都市沿岸部における炭素貯留効果に着目しており、本研究の成果は我が国に多く分布する海岸線の新たな生態系価値を見出すとともに、海岸線保全の重要性の向上に貢献する。また、海底に堆積する有機物の一部は、生物の同化にともなう呼吸や無機化により再び回帰するため、有機物そのものは正確なストックとして評価できない。本研究では、堆積物中に残存する難分解有機炭素の簡易分析手法を構築しており、今後は本手法により多くのサンプル調査が可能となり実態解明に貢献する。
|