研究課題/領域番号 |
20K04713
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 香川高等専門学校 |
研究代表者 |
柳川 竜一 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 准教授 (70649095)
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研究分担者 |
三好 真千 徳島文理大学, 理工学部, 講師 (40399168)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 海底耕耘 / 無機態窒素 / 貧栄養化 / 貧栄養化の改善 / 現地実験 / 栄養塩 / 数値流動モデル / オープンデータ / 物質循環 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,海底耕耘(海底をかき乱す行為)が貧栄養化した海域での栄養塩濃度上昇に寄与し基礎生産の向上に繋がるのかを定量的に検証するため,以下4テーマについて検討を行う. ①香川県志度湾海域の底質に栄養塩がどの程度含まれているか水質・底質分析を行う. ②耕耘に伴い土粒子や土粒子吸着栄養塩はどの空間範囲にまで拡散するのか室内実験を行う. ③巻き上げられた土粒子と土粒子から脱着した栄養塩との拡散範囲の違いはどの程度となるか室内実験を行う. ④志度湾での海底耕耘の効果を実測するとともに時空間的に挙動を把握する.
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研究成果の概要 |
実施困難な時期や実施方法で様々な模索を行ったが,現地実験は計6回実施し,耕耘活動による定性的な水質変化を捉えることが出来た.具体的には,中底層水のアンモニア濃度上昇を捉えたが,濃度上昇した水塊が移流・拡散で表層に迄届くに至らなかった.海域規模に対して耕耘範囲・強度が不十分であった事と鉛直混合が十分でない時期での実施が影響したと考えられた.硝酸や亜硝酸塩については溶出の明らかな傾向を捉えるに至っておらず,現地実験による定量的な耕耘効果を明らかにするのは困難と考えられた.一方,底質・水質サンプリングによる室内での強制混合実験の手法開発と実施に着手しており,今後も継続した活動を進めている.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の基礎生産に必要となる窒素・リン濃度が枯渇している海域でのノリ養殖事業を実現するため,水中栄養塩濃度の上昇を目的とした海底耕耘は,既存の栄養塩に富んだ底質を利用するという視点がこれまでに無かったこと,また海域生態系の物質循環機能を高める事も期待され,事業化に向けての社会的意義は高いと考えている.一方,本検討内では実施規模の小ささや定量的な効果を把握するに至らず,完了後も活動を継続して実用化に向けた取り組みを進めることとしたい.
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