研究課題/領域番号 |
20K04752
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
伊藤 紘晃 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 助教 (80637182)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 凝集 / 天然有機物 / 水中金属 / 鉱物粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
環境水中で生じる凝集は,種々の物質の生残性と流動性を大きく決定づけており,水産学・環境衛生・地球科学等の各分野の問題に関わる。これまでに,各分野で凝集に重要なメカニズムが示されてきたが,環境中に見られる幅広い種類の物質の凝集を定量的に推定するための知見は限られている。本研究では,多種の有機物・金属元素・鉱物粒子を用いて,官能基組成や疎水性部位の構造,配位結合の強さ,表面電位等を勘案しながら凝集を観察し,暗条件における凝集反応速度の予測モデルを構築する。また,光と酸素によって促進される凝集体の解離反応について,想定される間接的反応を制御しながら観察を行い,反応を定量化する。
|
研究成果の概要 |
動的光散乱法は比較的短時間で粒子の観察が可能ではあるが,高濃度試料でなければナノ粒子トラッキング解析法と同程度の精度が得られないことが示された。 Caは脂質(ドデカン酸)以外の有機物(腐植物質,糖,タンパク質)と粘土鉱物(カオリナイト)に対し,架橋作用によってこれらの凝集体を形成させることが示された。低イオン強度条件下と高Ca濃度条件下の双方において,腐植物質がFe(III)の凝集体を小さくする効果が示された。高イオン強度と高Ca濃度のいずれも,Fe(III)の凝集を促進する効果は限定的であった。天然の海水で生じるFe(III)の大規模凝集には粘土鉱物が決定的要因になっている可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境水中で生じる凝集は,種々の物質の生残性と流動性を大きく決定づけており,水産学・環境衛生・地球科学等の各分野の問題に関わる。例えば,Fe(III)は河川水等の淡水が海水と混合すると大規模な凝集を生じ,この凝集に巻き込まれる有機物や毒性物質の移動先が影響を受ける。これまでに,各分野で凝集に重要なメカニズムが示されてきたが,環境中に見られる幅広い種類の物質の凝集を定量的に推定するための知見は限られている。本研究では,複数の物質が相互に関わる凝集反応を調べることで,実環境中環境中において生じる凝集の主要因を推定するための知見を得ることができた。
|